連載は続く~SF掌編『列島の形成史についてほんの少々』編


NHKBSの番組が地質の知見から列島の成り立ちを紹介していた(全4回のシリーズもの*1)。
一応教科書的な整理を経たことばでの流れ紹介になってしまう。
数千年前(番組ではもう少し具体的な何年前と指摘されている。以下同様)に付加体の重なりとして現大陸部の一部、海岸線を構成していた。
やがてその状態の時に、カルデラタイプの噴火が数々生じた。
その生じ方も、プレートテクトニクスがもたらすタイプの一つということで、落ち込む先に横並びで生じている。
そして、その噴火後も、地下にたまっていた大量のマグマが、冷えて固まって、この場合は花崗岩になった。その花崗岩が相対的重さの軽さから、浮く形になり、浮き出る感じで付加体に更に変化を加えていた。
その状態で、今度は生ものであるプレートテクトニクスの動きに応じて大陸から引きはがされることになり、現列島辺へ、今とはかなり異なる散らばりで島々がある程度位置を落ちつかせる。それは千数百万年前の頃。
つまり、基礎の地質構造は大陸時の付加体の重なりに、花崗岩の巨大な浮石が浸食にあった後、いう感じになる。
その後の様々な影響のうち、関東平野に直接関わるフォッサマグナの話に興味を持って見ていた。
フォッサマグナ部は、別々の移動した陸地を分けていた。
プレートテクトニクスの動きが、いくつかの要因となって、付加や隆起やを伴わせて、現地形まで変化させる。
だから元々の広がりはかなりせばまっている。狭まって、隆起した地形が激しく浸食を受けて、低いところへ流れて平地を形成させる。そういう流れ。
ところで、2017年2月9日付けの論文をネットで参照出来る。
タイトル『過去72万年間の気候の不安定性を南極ドームふじアイスコアの解析と気候シミュレーションにより解明』・・・国立極地研究所のページより
この論文中に図2として引用されているグラフを参照した。
酸素同位体比から寒暖の変化をグラフとして表現できる。
その72万年間の変化を2003から2007年にかけて掘削された資料によって、グラフにしてある。
海面変化と強引に関連づけてしまうと、最低の寒の時期から最高の暖の時期へと変化したのは
1万年前
13万年前
24万年前
33.5万年前
が比較的読み取りやすい規則性を表している。
その変化の度合は、グラフの傾きと直線性から、
約5千年弱の期間にその最低から最高へと変化していると読み取れる。
仮りに海進の時期と重なるなら、その期間での変化ということだ。
他の時期にも大きな変化は起こっているけれど、この時期程の急で大きなものはなかった。
この暖の最高の時期の後の変化もそれぞれ似ている。
一万年弱くらいで一気に最低近くまで下降する。どうしてそうなるのか?
その後は長い数万年間の低位安定だけど変化もともなうので適応に苦労しそうな極端な寒冷期だ。
見た目にも、東京湾が干上がるか、大きな川のような景観となる変化を生じるくらいの、数千年間だ。
弥生の人々が見たのよりも激しい。関東平野奥へと入り込んだ海域(海水域)を見る景観と東京湾沖に海岸線が広がる景観。そういう対比。
しかも今度は寒くなっていく。
そうなるのはどこかに氷河が広がっているからで、そうなり易い土地がヨーロッパと北米。
そうなりやすい土地に氷河が広がらなければ、海面の低下も生じにくいと想像できる。
一万年前の人々にとって、2千年前、或いは、2千年間の出来事はというと、ゆっくりと津波が押し寄せてきた経験に近い。
一万年前を頂点とすると、前後千年間という想像も可能。
この場合、今でいう、よく知る歴史上の人々の頃の極端に引いた海岸線が(当時の)現海岸線まで迫り。(千年後の)未来には、現代の人々が体験している海岸線近くまで後退するけれど、それは想像でしかないような人々として描ける。
今は、かなり引いた海岸線を見ている。
でもこんなもんじゃない程度には海岸線は引く寒い時期が待っている。

ところで、BS報道番組の中で、時々でしかないけれど、コロナ騒動でもただ慌てふためく発信にしないで、工学的発想から、何をどういじれればなんとかなりそう、ようなアイデア発信できる諸氏もいらっしゃる。
それがより多くの医療関係者に可能になれば、なによりだ。
大変だ発信はだれでもできる。現場の事情に通じ、しかも、手段も持ち合わせているし、それなりに人脈や資金を動かせるかもしれない人々が当面できること、でアイデアを個々の場で試行できるなら、ただ慌てる対処以外を志向できる。
コロナ騒ぎが始まって数か月が経つ。
素人だって(病気のくせ、医療現場のくせ、どこにどういう負担が要るかなどなど)情報を得られれば代案くらいは一か月、二か月とそれなりに肉付けしていける。
それをしてこなかった医療現場とか行政部門とか政治的熱意のある人々というのが惰性で流れていたら、それこそ問題ではないか、と素人は察する。

US情勢は、着々と、一歩一歩という印象を受けるけれど、進んでいるようだ。
今はグーグル翻訳とかディープラーニングとかソフトの力量がある領域と限定することでたとえば将棋や囲碁ではヒトを相手にすることはないだろうくらいな実力を発揮してしまうまでになっているそう(たまたま最近関心を持って類書に当たってところなので)で、翻訳もかなりこなれた状態で即訳され、読むペースの邪魔にならない。そういう資料の当たり方が可能にもなっている。

** ヒトの一生はごく短いおかげで、地質形成の偶然の一時期を何世代にも渡って経験できるようにしてくれている。そう考えることができる。たまたまの列島の姿という方がリアル。
*1 ジオ・ジャパン絶景列島を行く
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