連載は続く~SF掌編『前回、前々回を更に少々』編


ヒトの観念処理系は一筋縄ではいかない。
そういうことを想起しておいてもらって、ドイツ~イギリス王室の線を思い浮かぶなら、エカテリーナ二世氏を介した、フランス啓蒙思想の脈々、ロシア・・と大変な思いを経つつの試行錯誤の貴重さを追うことができる辺りは、当方は主に広瀬本がヒントになってくれたのだけど、多くの諸氏にとっても既知のことと察する。

鉄も貴重な手がかりとなりそうだ。
アイアンロードとタイトルに含むNHKBSで放送された2本物の特集番組では、エピソードとして激しくやばい面もこってり持つ漢の時代(前後のどちらの時期かについては番組を見て確かめてほしい。ここではその大雑把な把握の時期に、そして列島ではそれ以後の影響関係を想起してもらえれば)、一方では、農業器具を鉄製で作って、イメージとしてだと江戸期の耕地拡大の勢いなどを想像しもらって、中国では、それが中国の規模において農業を拡大させたそうだ。
ここで農業について一つ。
エミシ本の松本氏の指摘だ。
農は人口拡大趨勢を内に秘めさせている。そういうヒトにとっての営みだ。
増えれは困るタイプの狩猟を主にする生活の形とは根本的に趨勢上、異なる。
住居跡の展開が激変してしまう。
第一次産業の農を一部の人々に任せる仕組みを取り込んだ産業構造に支えられた集団の営みの趨勢とは?と投げ掛けることができそうだ。
とにかく、中国の漢の時代に、鉄製の農具を発明・開発してしまって、それで農業は飛躍的に発展することになる。
食っていく事について、農に依存する形を選んだとして、自然環境とのやり取り上、辛苦も避けられない質から、耕して育ちやすい状態を得やすくして、余裕を更なる工夫に使えるようにしてしまう。(ここで列島では百姓と言われるくらい農のみではない様々を生業に含めていた巷を、かつて網野氏は想起させるようにしてくれている。だから中国でもより逞しく人々は生業を営んでいておかしくはない。)
そして鉄も古代で括る時期の列島で育っている。
寺の担い手が技術者集団であったように、神社系の担い手諸氏もそうだったらしいことを歴史家諸氏は紹介されている。
曲り屋的な家畜とともにの生活の形で有名なところだと、中国的活用もありうる。
鉄製の大き目の犂を動物に引かせてかなり効率的に耕せる。
動物とともにを欠く土地柄だと、そういうことは無理そうだから、ヒトの力頼りでの鉄製農具使用とならざるをえない。
ただ国力の基礎を提供してしまうことになるので、鉄製の便利道具に関するノウハウをお手軽に提供し合っていたかどうかは便利な文字ことばの使用普及同様、いろいろ入り組んだ事情を発生し易かったとも想像できる。


隕石が関わる宇宙・地球史と関わる事件について2本の別別の番組を見てしまった。
一本は、バイクで逃げて助かったのが印象深い『ディープインパクト』('98)。
もう一本はコズミック フロント『8億年前の地球大異変 月が教えてくれたこと』。
後者の8億年前という決め方が、アポロ12号の採取した月の石からの特定、ということで、そこは素人的には棚上げして見ていた。
それと、これまで、この時代に、隕石落下から年代測定できていたらしいのだけど、その方法が、なんと、同じように隕石が降ってきて、それを前提に、数と数えることで隕石落下跡と数の分布をより精度高く観測、計測できれば特定可能、だったらしい。これもまた素人的には信じがたいことを学問はやっていることもあるんだな、と思えた。
そこらは、ともかく、寺田氏が、その中身の8億年のところをこだわらないようにしても、問題にならないくらい、ある特定の仕方を工夫されていて、相対的なデータとして、とりあえず示唆に富む観測データ処理をされていた。
ある時期(アポロ12号データを信じるなら8億年前となるわけだけど素人は採用しないことにして)に直径100㎞の小惑星と別の小惑星が衝突して、バラバラになった隕石として太陽系のそれぞれの惑星や衛星に降り注いだ。
月にはその痕跡が明確だ。
列島でも、ある時期に、独特の地層を持つ。隕石由来成分がその規模も計測可能な量、もたらされている。
そして、その層の前後の放散虫化石観測から、大量絶滅(23種中18種滅んでいる)を引き起こした。
映画では、致命的な大きい方の小惑星破片を爆破して粉々にして、地球大気との摩擦で燃え尽きさせることに成功、というシーンを印象付けた。
かつての出来事では、そうはいかずに地表面にもかなり降り注いだ。
アポロではないデータに基づくグラフ表示を紹介していた。そこからだと7,6,5億年前くらいの幅でピークを形成していたように見えた(番組映像で確認できるので参照してください)。
ちなみ、今時においては、小惑星を爆破する案は推奨されていないみたいだ。