連載は続く~ SF 掌編『生き物たちの成す"織物"をめぐって二話』編


 NHKBSで放送していたジオ・ジャパンシリーズと最近出たブルーバックスの『日本の気象変動5000万年史』('22 講談社)の事例や年代指定などを合成すると、それなりに自家製年表の読み方に一工夫できるようになりそうだ。
 ただ余計なことではあるけれど、『日本の気象変動5000万年史』の内容については、紹介するつもりはないにも関わらず、事例とその年代とが載っているということで、強いて使わせてもらった。素人の老人からすると、著者諸氏にはもうちょっとだけでもサイエンスしていただきたい気がする。忖度臭を何気に感じた次第。
 水月湖の中川氏のブルーバックス本も、年代紹介については不親切だった記憶があり、ブルーバックス編集陣の啓蒙への熱気を期待したい。自家製日本史年表だったり世界史年表だったりへ、気温・気象環境の変化を書き込めるだけでも相当な観察眼の一助とできそうだ。

 列島の今日につながる事象とその年代などを羅列紹介。
 (植物化石などからの年代測定のような記述あり)

2300万年前 ヒマラヤ山脈チベット高原の生成
 →このことで、夏季モンスーンが発生するようになる。(気象庁の全球版雲画像を動画で見ると、そこらがより明確に頷(うなづ)ける)

2000万~1800万年前 ユーラシア大陸と列島部が離れた。
 →日本海出現。

1500万~1300万年前 九州でカルデラ火山噴火多発。

300万~260万年前 地球規模の寒冷化へ。

260万年前 両極に氷床・海氷が発達した。


3.5万~1.8万年前
 およそ10万年間の氷期間氷期の組み合わせが一単位のサイクルが始まって以後、現代に最も近い最も寒くなった時期

1.7万年前 気温が上昇した。

7000~5000年前 関東平野の標高5-10mの所まで海面が上昇。

3000年前 海水準低下(今よりも1-2m)

≪列島古代史とより関わるデータ≫

上記ブルーバックスの p236 の桜花・年輪記録のグラフ参照。
寒冷 飛鳥・奈良期
温暖 平安期中盤
冷涼 鎌倉期から室町初期
寒冷 戦国から江戸期享保よりも以前の頃まで
温暖 江戸末から今日まで
* ここらはグラフを参照して自家製年表に書き込みやすいが、もう少し具体的年代特定が要る。

① p192 に80万年前から今日までの気温変化グラフが載っている。
② p185 に320万年前から今日までの気温変化グラフが載っている。
①、②を合わせる事で、10万年周期の特殊性くらいには気づけるようにする。
寒冷化以後、同じ要因からするその趨勢上の変化に過ぎないのか、繰り返しているようで、乱れもそれなりに含ませる等、要因のその他を想起したほうがいいのかの辺りへは、関心を持っておいたほうが良さそうだ。


 放送大学の特別講義『細胞の声を聞く』高橋淑子氏担当。
 では、発生について鳥の卵を観察しての研究の一端を紹介されていたけれど、発生の過程で細胞が他所へ動いてそこで形を成す。
 ガン細胞も転移(移動)して、だけど不特定に増殖し続ける。
 と似ている辺りを指摘されていた。
 発生期ということで、素人老人的には安保氏の論を裏打ちしてくれるエピソードのようにも受け取りたくさせた。
 細胞におけるミトコンドリアの数問題にはふれられていなかったので、そこらの関心が安保氏と重なりにくそうだったけれど、逆に、素材提供として貴重に思えた。
 安保氏の気づきは、ワールブルク氏の発見を下敷きに、ガン細胞というのが通常の細胞がそのまま先祖返りした状態と見るような、通常細胞との連続性を見ることを踏まえての、ガン対処へと誘う話につながる。
 高橋氏の発生細胞の紹介では、形をしっかり成すことで明確にガン細胞っぽくない。
 ガン細胞への対処としては、そこでも転移先でも闇雲に大きくなっていくというのであれば、形化制御の遺伝子の働き(知見)を絡めて、不必要に転移されるだけでも迷惑な現象だから、形化制御の中で、拡大性の制御に仕向けるような遺伝子的関与もありうるのかな、など素人想像のおおざっぱ過ぎなところを、思い描いてしまった。(薬での力づくといのではなくてあくまでも細胞世界で働く形化遺伝子の働きと関わらせての話)
 とは言え、そのだれかの体の応答の過程でのガン化であり対象細胞の(たとえば無理な生活習慣ゆえの)先祖返りなのだから、その条件付けのところを解消する努力・工夫が一次的な対処法には違いない。ただちょっとだけ時間稼ぎ用に(たとえば発熱でも高温に耐えるには限度があり、そこを解熱して(免疫が機能する程度に支え、それが機能して治るまで)体が耐えられるように時間稼ぎする対症療法が一般的だ)、


  川柳もどき

   かわいそうかもしれないし 血となり肉となるからともとれるし
    川を群れて泳ぐオイカワたち 鮎たちのぼうだい量こそ 命たちを支えてもいそうだった 頼りになるのはどっち と、つい