連載は続く~SF掌編『メン・イン・ブラックの頃以来』編




私:BSで吹き替え版の映画、見てしまった。
君:そぉ。
私:それでまた気付かされた。
君:いつもの、こと、ね。だから?
私:・・。聞き役、して。
君:別にぃ、いいわ、よ。
私:『メン・イン・ブラック』('97)は『エネミーオブアメリカ』('98)よりも前に公開されてた作品。大変に評判を呼んだ作品らしいけど、以後の2も3も見てなかった。作風としては誇張系、と思い込んでたんだ、ね。だけど昨夜見て、えっ!って思った、よ。
君:なによ、えっ、・・じゃわからないわ、よ。
私:既に宇宙人だらけで、受け止め方次第では危機と常時直面してる、っていう設定になってる。一般の人びとがそれを知れば日常の緩さを保てなくなるから、知らせずにおくことに徹底している組織的働き掛けが日々作用している。その働き掛け組織の職員の二人の男が主人公って、わけ。
君:少し、わかってきたか、な・・。
私:この作品が当時のUSで作られていたってことがきっと貴重、ヒントになる。『陰謀のセオリー』やCIA手法の公開版のメジャーなところからのどきゅめたりー番組が溢れ始めていた。中東の怪しい反政府勢力を育てている内情がその当時から明け透けになり始めていたし、素人ながら銀行強盗的金策(他に超有名な麻薬資金の循環てのもあるわけさ、そしてその情報キャッチのための網の目ということもしっかり管理下にあるけどそれはそれはの世界と想像するしかないし、後日の『イースタンプロミス』や岩波新書の三谷著作がそこらの公務業務のすさまじさの一端を明かしている。ぶったまげの世界がひたひたと続いている)の謎をある程度の濃さで知ることができたことにも通じている。核兵器の管理問題を一つの例にしやすいんじゃなか、と思える。けれども、映画のストーリーとして啓蒙的ヒント発信しているわけで、実は・・のところを探りたくさせる。つまり素人として考えるに、グローバルなやり手の脈の中ではなんらか画期を迎えようとしている、と見ることもできるわけ。隠し続けて良いことばかりではない。もう隠す手法ではやっていけない。むしろある程度人々がわかってその上でやり繰りする手法を考え出していかねばならない。そのためには新たな人材、そういうアイデアを紡ぎだせるやつら後進に素材をちょっぴり提供し続ける必要もあるだろうし、時期的に知らせ過ぎても危険極まりない。だからわかるやつらにはわかる手法でとにかくヒント発信はしておき、その際どさを察知してとことん巧みな工夫の要ることを承知のオルタナティヴに打って出る新たな流れを生もうと目論んだ。そうその時期以後を受け止めたくさせる、んだ、よ、ね。
君:込み入ってる、わ、よ、。それこそとことん、込み入ってしまって、どういう順序とか階層にして、あなたの言った内容を整理できるのか・・・。
私:急に大雑把にしろ広範囲を指摘しても、ね。わかりっこない。広瀬本に馴染んでる皆さんならかなりピンと来てくれそうに思えるけど。
君:出た、ヒロセ本。余程、読んできたのね。
私:最近はともかく、1990年代頃まではかなり読み込んでたね。刺激されて自分で検索して脈探しと整理なんてことをして、整理後の資料をネットに載せてたし。
君:へぇーっ、そこまで、ビックリ。時事問題に関心あったんだぁ・・。いい加減ややつっぽいところあるから・・。
私:・・そぉ・・。そんな感じ?ふーーん。
君:そういうのって品質でいう良品じゃないニュアンスにあなたは受け止めるの、ね。変なの。
私:・・なるほど、・・そう言われてみれば、なんか変だ。偏ってる、確かに。なるほど、やっぱ、キミとことばを交わせて幸せだな、ってことになる、よね。
君:そこを私に確かめないで。あなた、がでしょ。
私:自分の受け止め、です。そうです。・・・話、続ける。色々あって今は副島氏とか藤原氏とかネット上でもそう多くはないオルタナティヴ発信に耳や目を傾けているんだけど、未だに列島はUSで言えば旧勢力、トランプ大統領誕生以前の粗削りな勢力がその考えのままで良いことをしようと躍起(やっき)なんだ。だからグローバル環境で失敗が明確な移民策(TPPにも固執してるし)まで最後っ屁(さいごっぺ)のように持ち出してきている。実は考えが粗削りなタイプのグローバリスト脈の端々が列島では未だに弁証法役割分担して対立しているようにしながら乱暴な立法かけようとしてしまう。果敢で一面有効だったかもしれないけれど、ロシアの件でのようにこの人々はやり過ぎて人々を逆に窮地に追い込んで平気というか富をかっさらうことを目的化していて、その財力で次のステージで権力を振るうつもりできていたようにも感じる。そこをUS内部で心配されてトランプ大統領選出となった。そのトランプ氏の風変りさについては最新の映画『華氏119』で一端を見ることができるように受け止めた。つい最近見てきたんだ、よ。映画館で。とにかく好き放題言ってきた一面を持つのがトランプ氏。非難されるタイプの言動のいくつかのカットはもろだよ。けれども、氏は選挙の前評判しかない頃、一定のインサイダーの位置であることを素人すらが知れるくらいおおっぴらだったし、素人がデストロイヤー氏を持ち出せるくらいにオープンだったんだ。だから或る意味でそういう役柄を演じ切ってたし、それを愉しんでたんだろうけど、USの大統領となると、もう今は未だ次の担い手がその位置に出ては来ていないのだから、やはり超大国のふるまいの担い手として重責を請け負ってしまって、相当に頭も体も心も目いっぱい使い切るような状態じゃなかろうか。派手に乱暴なキャラで押しまくるわけにはいかないし、キャラ表象も大事だし。そこに副島氏が初期にキッシンジャー氏の影響を紹介していてくれたことで、USの、という表現が有効になりそうに思えている。とにかく時代状況を変化とか画期に呼ぶ機運は既に生じていて、その後のやりくりの中での経過としてのUS事情。グローバルなありさま。列島が粗削りなグローバリスト発想でかき回されることを制御できれば、これまでの工夫から色々可能性は開けてくる。そういう列島の土地的狭さの利便を考慮できれば、EUの試行錯誤もやり方次第では、列島以上のことができると予想させる。移民問題に絡めれば、USは広大な土地で棲み分け移住が可能だし、そうさせている感じを持つ。狭くて、しかも伝統的な地付きの人々がしっかり真面目な部分を担ってきた土地柄ではそれは難しい。それって言うのは棲み分け、何とか国のコミュニティを作らせて集住域を提供してしまうやり方。狭い土地柄では土地柄に合わせてもらう手法が大事だし、だからそれなりに思慮を働かせる余裕が提供できるならば、という必須条件が要る。入ってくる過程で怪しげな人脈に既に洗脳されたような人々、セコイしがらみを強力に仕込まれた人々が入ってくるような条件付けが放置されて入るようにすることはどのためにもならない。EUはそこらをUS的な粗削りグローバリスト発想でやってしまって総すかんを食っている。確かにEUは氷期の前に各地に対して先に恩返し的な工夫をしておかないと、大変なことになる土地柄であることはある程度わかっている。アメリカの大陸の北の方も同様。いつまで住めることか・・・。だからって、性急になって思慮を欠けばそれなりの答えしか返ってこない。入れてしまってからでは遅いんだ。ヒトとヒトのことだから面倒なことにならないようにしておくことが大事。既存のままならともかく各国各土地でそれなりに生活基盤は得ている。そこを離れてどうこうの後始末をどうするの?にしてはまずい。事前に制御しておくことが肝心だ。間に入って粗削りなグローバリストの手先のようになって荒っぽい手法で移民化を促して荒稼ぎしている勢力こそ問題に違いない(当然そこは社会工学パスカルの原理が機能する巷だから世界の諜報脈が動かしている。悪意の発露を制御させるためのフィルターとしても働いている)。小さな政治コミュニティも安心はできない、ということを Lars von Trier 監督の『Dogville』('03)から気付けた気もしてる。田舎問題、だよな。他人を軽く見て馬鹿にして、わがままなやつらの発露の対象にさせやすい。そして仕打ちに合うまで、ついつい自らを許し続けてしまう。そこになんと『redline7000』のジェームズ・カーン氏が最後の最後のシーンに出てきていた。これもまた偶然。レーサーはちょっとだけ思慮深いところもあるんだぜ、みたいな役柄で出ていた氏が、渋いやくざ系の親分になっていた。エイズの問題が大騒ぎになっていた当時、CD4施設の研究者が怪しいぞの論で著作が出ていてその研究者氏が紹介していたことだけど、女性の局部は非常に丈夫だ。だから感染しやすいとしたらむしろ尻の方だ。という感じだった。男女ともにそっちを使う連中がより感染しやすい初期の頃の感染者たちの独特さの指摘。そこら推理して実験的要素ありの説を持ち出せていた。結果、今は弱体ウィルスの実際をやっとわかるようになっている。実験的”強力”がなければそう感染はしなかったはずだ、の傍証にもなる。世界の諜報脈はいつでもヤバいことについ手が出てしまいがちのようだ。主役をやっていたニコール・キッドマン氏の演じ所というか、心がやけに広い感じだ。体のダメージは数をこなした程度。夫婦ものとは比べ物にならない程度。けれども、強圧は強圧。そこにけじめをつけさせた。決然と。すさまじい”静けさ”のシーンが続く。舞台を撮影する手法の映画だ。評判を得たのも当然の気がする。そこらから一気に粗削りなグローバリスト発想に行くはずがない!そこらへの思慮を育てていきたい。
君:ビックリ続き、よ。ちょっと露骨、な感じもしてる、し。どう反応したらいい、ものか、しら・・・。
私:いいよ、すぐに反応しなくたって・・・。お茶、淹れようか。
君:・・そうして、というか、散歩にでない、外の空気吸いたくなった、わ、よ。
私:うん。
(ということで続く)