連載は続く~SF掌編『葉巻型が突っ走る』編




君:秋は・・・どこへ行ったの?
私:??、急に・・・。
君:驚いた?・・・、ふふっ。
私:戻った・・・、よかった、か、な。
君:なによ、・・いつも同じ、じゃ、ないわ、よ、私、だって。
私:公園の樹木の葉、色づきはじめてる。
君:そうね。
私:Blu-rayの映像だからこそ、ってのを味わえた、よ。『レッドライン7000』。
君:どんな。
私:レース関係者がレース開催の時に行きつける酒場兼食堂のようなところがあって、そこの壁面に一杯ポスターが貼ってある。そのポスターの一つ一つの文字が鮮明だった。たとえば Sebring の文字がハッキリ。映画のために撮影された車が激走するシーンの映像は実に鮮明。1960年代のナスカーレースの様が伝わってくる。実際のレースの多くは当時放送されたかした映像で列島版のちょっと以前の映画の画面に近い。ただ列島版のも4Kとか8Kでの修復が進んでいるようで、そこらは期待してしまうし、できれば音響の修復こそしっかりやっておいてもらいたい。とにかく流して聞けないほど不鮮明な音だったんだ、よ、その昔は。
君:知らなかった。それほど音わるかったの?
私:そっ。ある時期からがらっと変わった。それ以前。話、変わるけど、認知症医療にも医療側からの改革が地道に進行し始めてるのかも、と思える出版を知った。痛み研究と医療実践の線でも知らず知らずの軌道修正が生じているみたいだけど(実際に肉体的なダメージ由来と心理、精神面がより由来の元になっているタイプとかをある程度実際に有効になるように医療側が判断できるようにするやり方における修正)、認知症においても実際的応用としてのコウノメソッドほかがたたき台を提供してきた形での進化、熟成っぽい。介護の肌理(きめ)のところを実践的に応用できる医療看護部門が育ってくると介護部門の独自性を主張できるっていう環境ではなくなる、良い意味で、ね。今は、未だ看護部門の多くは勢いでが勝ってるから介護部門の熟練からは程遠い、と見てるけど。
君:介護だってそれなりにあらっぽかったりしない?
私:そう今でも早さを競う、変な仕事熱心が通り易いみたいね。思い込みと思うけど。そりゃそんな介護された日には言うに言えない苦痛を味わう。利用者さんたちは日々苦痛のストレスを蓄積していくわけだから、もう一つ仕事を提供し続けてるような仕事、とも言える、率直には、ね。仕事を買って出るタイプたちがチーム仕事をこなす感じになってくると逆にお互いの不足を補い合うだけで一通りの仕事をこなせるようにするから、結構時間内、といってギリギリで終わるとかもあったりで暇なしかもしれないけど、そんな風にはこなしていけるようになるんだけど、ね。そこらの読みが、ね。目の前の忙しさにかまけて・・余裕を無くしがちにしてしまうのか、なんなのか。
君:1960年代のレース、少しは詳しいの?
私:全然。君からすれば(生まれるはるか前という意味で)一昔前、っていう時代かもしれないけどテレヴィで毎週やってたんだよ、その頃。でジム・クラーク氏の走りっぷりにレースって魅力あるぞ、っと思わせた。とにかく先行、勝ち抜きタイプの走り。まず車の性能が良かったのかも。たまたま先週かな日曜夜のFMで葉巻型の頃のレースカーの話がほんのちょっと出て(技術者とドライヴァーの発想が交流してた)、ドライヴァーが運転してて車の反応をどう技術者に伝えられるかも大事だし、手に負えないころの車だからそれを使いこなすドライヴァーの腕も相当関わってそうなことはわかった、よ。燃料系は燃えやすいままだったから(その後徐々に改良されて燃えにくくなっていく)事故にならないことが前提の運転だし。一度起こせば、お亡くなりになるかもしれないくらいの性能だったんだ、当時は。GPL(Grand Prix Legends)とかで走るとわかってもらえるんだけど、Hockenheimring 、ここがジム・クラーク氏の最後に走ってたコース。ウィキペディアのコース変遷の図からわかるように、減速のためのカーブなし1966年の図が参考になる。(がっかりしたけどジャッキー・スチュアート氏と交差していて、ちょっとだけレースカーへの関心は保ててたし、富士スピードウェイのレースとかもその頃テレヴィで放送するようになってたかもしれないし)その昔はこういったコースがたくさんあって、ドライヴァーの腕を競ってたみたいだ、ね。ある種の操作上の冗長性がそれを許してた、けど、駆動系のキチキチっとした動きがより可能になって(バイクのアクセルとかで体感できるんだけど、ちょっとひねるとそのひねりの度合にどれくらい追随してエンジンが作動してくれるとか、の感じ。運転しやすさと直結する一要素だよ)コースがどんどん改良されていく。改良されて、逆につまらなくもなってく。コースをレースシミュレーションゲームを使って走ってみるとそこらはよくわかってもらえると、思う。
君:えっ?!私に、そうしろって・・・。
私:街路をつるんで走ってみたいなぁ、とは思うけど、シミュレーションで並走させる、ってのも味かなぁ・・なんて、ね。
君:ことごとく、隣に乗せる運転を好かないの、ね。運転の仕方をもう一台の運転中の車から観察して、人格までわかった気になる、のよ、ね。
私:車をお互いが操ってるわけだから、(全身的に)交流してる、ってこと、じゃない。
君:でも近づけないわ(それって接触事故じゃない)、それでいいの?
(ということでまたもや続く)