連載は続く~SF掌編『夜の闇を映す有機EL画面』編




私:どじな・・・で突っ込みがなかったもので・・・。
君:ふふっ。・・・ド・ジ。
私:だれもが言うし、事実そう見えてしまう夜景。暗闇は煌々(こうこう)と輝く、光源を浮き出して感じさせる。家の灯りでさえ別の映(は)えた景観の要素にしてしまう。ビル群しかり、走る車のヘッドライト、自転車のライト、鉄道・・。
君:ド・ジ、な。
私:わずかの照り返しをガラス越しに受けて、キミは今・・・。
君:なんて、ド・ジ、な。
私:ほら、ね。泡。これもカフェ・ラテ
君:珈琲とミルクをカップめがけて両側から流し込む、とこうなる?
私:ならない、でしょ。でも、美味しいことに変わりはない。
君:そうね。あなたにも夜景の光あたって。夜空からの光、も。
私:ね、きょう・・・。
君:言いかけた?
私:古参の、・・・今年は・・・。
君:飲みながら話さないで!古参の?なに。
私:・・・介護技術入門とかその次段階のとか、映像で、くっきり映像で出てくれるとありがたい、よ。ブロックチェーンの入門書がブルーバックスの新刊で出たんだ。入門者向けの文章にしてみた、とか著者氏は言ってるけど、回りくどいというか、余分がついて回って、入門用じゃなかった。それだと読みづらい。箇条書きっぽく大事なことを羅列してくれて、それがすべてと思い込まないように、短縮だと質のところが伝わらない用語については、要所が届くように解説するとか、にしてくれないと、矢鱈とくどい文章につきあわさせられてしまう。そんな意見を参考用に指摘してみたくなった。テーマとかタイミングは今こそだから。
君:自転車、のこと?
私:えっ?!
君:ジョーダン、冗談、よ。そろそろ、出ましょ。
私:どぉ、美味しかった?
君:だから、もぉ、さっき言ったでしょ、同じ、よ。
私:腸の知見、おさらいしておきたくなった、よ。
君:どうするの、出る、出ない。
私:歩きながら、話そ。
君:チョウね。
私:さりげなくおばさんギャグ飛ばしてる・・・。
君:えっ?なんて。
私:支払ってくるから・・・・・。・・・っと。姐さんギャグ。
君:そぉ。
私:寒い、寒い、外。
君:今ホット飲んだばかり、なのに?
私:キミが少し離れてるから・・。
君:これくらいなら。
私:少し、いい感じ、かも。
君:じゃ、これくらい?
私:ずっといい感じ。もう少し・・。
君:話、続けて。
私:チョウね。
君:真似しないでよ。
私:くっ、くっ。キミの息が暖かい。・・ごめん、話つづける、よ。腸は不都合なものは出したがるいたって単純な働きの面を持つ。ここらは故藤田恒夫氏の知見さ。岩波新書の『腸は考える』。その応用で食物繊維のことがシンプルに解釈される。だから出す。食物繊維を仕込んでやると出が良くなる。
君:汚物の話だけれど、為になる話、ね。
私:汚物のほとんどは腸内細菌とかの残滓。いっしょに出す。出る時は腸が運動するから、通常なら楽に自ら出る感じで出る。息張るとかが介在するのは、なんらか不都合な条件を想定できる。だって出したがってる、わけだから。腸の都合。腎臓、血流、血液、血管、そして骨。このセットの話も興味が湧く。毛細血管というか体内流通の精密なというかよりリアルな様を自治医科大の西村智氏には是非紹介してもらいたい。BSNHKでそれを番組にしてくれれば、とかね。細胞へ養分を補給するのが血管以外にない、ならば毛細血管抜きにどの細胞もありえそうにない、ということで、その様は細胞の個数に張り巡らされた血管、ということになるんだ。ちょっと想像するくらいならイメージできそう。細胞間的な影響関係とそれを遥かに飛び越えてしまう血管経由の伝達、なんてことも毛細血管の端々の出来事。で司令塔はお腹の腸(の脳)だったり頭の脳だったり、各組織だったり、ということくらいはわかってきた。司令塔っぽくイメージしたくなるホメオスタシスだけど実はそうではなく・・っていうことのもう少しのところが見えてきてしまった昨今。きょうこの頃、ね。
君:ふふっ。お尻に手をまわしていい?
私:いいよ、くすぐったいもの。ボクがそうしたい。
君:ダメ、よ。
私:キミなら、よくて、ボクがそうしちゃダメ、なわけ?
君:そうよ。
私:変なの。変でしょ、それって。
君:あなたのは、それが目的になってるわ。私は流れだから。たまたまそういう心の流れで、そうしたくなった、のよ。
私:ボクのことは読まれてる、な、かといって、キミは、となると、読み損ねてる、かも。ジョーダン?
君:違う、わ。
私:キミの息が暖かい、よ。
君:ふふっ。