連載は続く~SF掌編『通販好み?の探偵氏、防水規格にこだわった』編

ネット通販のカタログを見ていると、時々困るそうだ。
老人だから老眼で・・の類もありそうだが、そこはどうもとぼけて流している。
たとえば防災なら合羽は手放せない。足の裏しっかりの靴も要る。それくらい丈夫な外で着る衣料は欠かせない。
ということでカタログをモニター経由で見て回っていた。ところが、時々、PU、20d、190T、IPx5、IP6x なんてぇのが出てきて戸惑う。なんだい、この表示?じいさんなもので考えることを、否、探偵稼業、そこは、一応考えるけれど、推理以前になのことで立ち止まる。防水の度合を指すようだ。しかし、モノによってどうもいろいろ単位のようなのが散らかっていて判断しかねる。推理どころじゃない。で早速ネット検索。そしたら簡単にわかった、けれど、散らかり具合は同様。どうも使い分けがあるらしい。で、更に検索。すると以下のような整理が可能になった、とのこと。早速以下に紹介。

以下電子機器や衣料、テントなどの防水性能や生地の丈夫さに関わる規格・単位など
(リンク先資料には LED でしばしば出てくるルーメンやらの単位も載っているので参考にどうぞ)

IP 表示について
https://www.ip68.jp/technicalguide/pdf/PP%20IPtoukyu.pdf から
名称:『IP規格・防水保護構造及び保護等級』
説明:IEC(InterNational Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格、IEC144、IEC529およびDIN40 050は、機器の保護構造について防塵・防水性を等級に分類し、そのテスト方法を規程しています。これに基づくIP表示は、世界各国で使用されています。日本では、日本工業規格及び社団法人・日本電機工業会がIEC529に準拠してIP表を規格化しています。(JIS C 0920-1993 & JEM1030-1983)

IPに続く2桁について、
1桁目を電子機器の時計や照明では防塵性能指標に使っている。
2桁目を防水性能指標に使っている。

他にウィキペディア ”International Protection”を参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/International_Protection


合羽など衣料物の防水、頑丈さ表示について
①生地素材
②コーティング素材

①は繊維の太さで表す単位を持つ。
①-1 テックス(tex)、デシテックス(dtex)・・(ISOで定義づけられている)
①-2 デニール(d)
https://www.jcfa.gr.jp/img/about_kasen/knowledge/ebook/index/chemical_fiber_book.pdf
上記 pdfファイルから
p41 1-4 化学せんいの性能 [用語の説明]参照

ほかに計量単位規則 (平成四年通商産業省令第八十号)
別表第一、別表第五 の繊度のところ参照
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=404M50000400080#90

現状ISO 80000-1(翻訳した JIS Z 8000-1)にてSIとその使い方について定めてある。


②について
生地の二次加工の種類
https://www.kiji-design.com/knowledge/4730.html

”ウレタンコーティング加工”
ポリウレタン(PU)コーティングを行うと、耐油性、耐摩擦性や伸縮性に優れていますが、耐熱性や耐水性は低くなってしまいます。
ラミネート加工”
PVC(ポリ塩化ビニル)やポリウレタンなどの薄いシートを生地に張り合わせる加工
防水性があり、水濡れしにくく、汚れにも強い

単位が散らかって出てくるにまかせていると、何?!で、掴(つか)みどころがない。
その場合、例えば雨量なら以下のような目安がネットの各地から発信されている。
300mm/h : 少雨
2000mm/h : 中雨
10000mm/h : 大雨
20000mm/h : 嵐(の雨)

透湿性についてなら
5000- 8000g/h : 蒸れにくい
10000-20000g/h : ベトベトしない
とちょっとばかりわかりにくいけれど、参考にはなる。

"d" デニールもよく出てくる。こちらも、繊維ごとの特徴や数値と丈夫さの組み合わせで覚えておけば買い物に役立てられる。

少しだけグローバル展開しているグッド・ドクターシリーズのうち韓国ものがBSフジで1080映像でもって全話放送されていた。
米国ものの第二シーズンも Dlife で放送が始まって、wowowでの第二シーズン第一話にこれは?と誘われた探偵氏。探偵ものどころではなくなっていた?
残るは列島版の再放送か。
グッド・ドクターの主役は自閉症で(妙な略語にしてしまうが)サヴァンな新進外科医。
だから先入観から特別と思ってるやつらの活躍モノ?とか先走りしてしまうかもしれない。実際には”雑多(であることが)な普通”のどこかに自らの居場所を探しているようなだれかが演じられている。
自分は自閉症だけど、医療、とりわけ外科の技能、知識は人一倍だ。ちょっと経験は足りない。そういうやつがなんらか必要を見出し、そこを充たしてみたい。そんなノリだ。そこに脚色としては医療に関わる倫理観が顔を出すようにしている。
そして自分たちはそう思っていても、世の中という動態のある時期というリアルと交わる中で、それらがすんなり受け入れられるかどうかわからない、ということが場面場面として登場する。
現代の外科は侵襲しないで済ませればそれに越したことはないという現代の医療が暫定的にたどり着いた前提の上でいろいろ難しい問題も含めて判断している。その様の一端を垣間見ることができる。

刑事ルーサー表現の時期だけに、主任警部モースの頃の組織との確執に近い似た騒動がERでもプライベートなもつれのエピソードが絡んでいたけれどそれに偏りすぎな類似の医療ものが結構ちらっと見で辟易させられていたので、ちょっと古いけれど組織との云々は未だ受け入れやすい。
実際には刑事ルーサー表現の方がより表現の質を高めているように探偵氏の推理は把握させているようだ。
主任警部モースと聞いて、BS放送を見てきた諸氏にはモース?でピンと来ていた(はず)。
新しいシリーズは主任警部モース役氏(John Edward Thaw)亡きあと、若い時代のモース(Shaun Francis Evans)を演じていた、とやっとネット検索して知った、と探偵氏。この探偵、名ばかりでどうやら主任警部の部下ルイス巡査(Kevin Whately)ほどにも足を使っていない。

それなのにブレない不思議、じゃないけれど、そこはドラマを見てね、ということになるルーサー物も、一応、現地で放送された分までは通販でDVDとしてだけど購入可能。

探偵氏・・、ずっとこんな調子で年越してたのか・・・・。

 

 

君:私、参考になったわ、よ。IP68って書かれてたって、チンプンカンプンだったもの。それ、今はわかる、わよ。防塵性能が最高の6、つまり塵は入らない作り、よ。防水も水に浸かった状態が可能。でしょ?最高の8だから。
私:そう、そうね。って、言われて、合点したんだけど、さ。
君:探偵さん、沢山しらべたようだけど、整理できたのかしら?
私:どうだか・・・聞いてみれば。
探偵:職業柄、っていうか・・・
君:あら、演出?もったいぶってる、それともあなたの真似かしら?
私:どうだか・・。
探偵:ぼかぁ・・真似なんかしないから。年寄りはゆっくり話すものさ。で、ね。仕事が仕事だから、さ。資料の整理なんていうのはお手の物、なわけ。なんなら何でもいいから質問してみない。
私:時々、PU なんたらかんたらなんて、丈夫さかな、そんな表記使ってるけど。
探偵:そんなことも知らなかったの。PU これは生地というか生地にコーティングした素材のことさ。ポリウレタンだ、ね。ポリのP、ウレタンのUだな。で耐水圧の㎜が続いていたのかな?耐水圧を計るのも規格になってるそうだ。何㎜の水柱になった時に浸透度合いが何パーセントを超えたかのような指標だ。生地だったら、先の通り、繊維の単位当たりの重さで tex、d とかで表される。
君:さすが、ね、探偵さん。年の功?
探偵:(まんざらでもなく)一言余計、かな。
私:すらすらっとおしゃべりなさったけれど、具体的な数値までは調べてない?ようですね。
君:いじわる。
探偵:ふぁっふぁっふぁっふぁっ。
私:ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ
君:それって・・・・オヤジギャグ丸出しぃ。わけわかんないしぃ・・。
私:・・・・仕方がない、申し訳に私が今、美味しいお茶を淹れましょう。少しお待ちを。
ということで今回はここまで。