連載は続く~ SF 掌編『何が繁盛してるって、そりゃ統計マジシャンでしょぉ!』編


出来立てのこれから繁華街になるかもな大小の店が並ぶ町。
さて、上手くいって、ヒトが集まること、集まること。
一日二十万人近くのヒトが往来するようになっていた。
少し小さめだけどそれなりの品揃えで、大いに稼ぎたい経営者氏。
商売熱心で、やる気もりもりの従業員。
通りには多くの人々が行き来している。
一週間、入店の客数を数えてみた。

 初日:106人
二日目: 58人
三日目:111人
四日目: 88人
五日目:161人
六日目:187人
七日目:235人

実は、他の大きい店でも数えていた。
人出と入店数。(入店/人出)

 初日: 10,111人 / 162,345人
二日目: 6,006人 / 85,678人
三日目: 12,345人 / 108,765人
四日目: 13,003人 / 71,357人
五日目: 20,050人 / 128,765人
六日目: 22,345人 / 184,321人
七日目: 30,010人 / 208,765人

どちらにしても、同じ町での同じ人出の数に対しての入店数。
どうです?

日々の数値になんらか実効的な意味を持たせるにはそれなりの処理が要る、くらいは気づけるのでは。

昨今人騒がせな日々増減する数値のことをふれたい。
受験の季節だったか?
国立大を受けたり、受かる諸氏においては、必須の五科目が今もその通りならば、統計くらいはお茶の子さいさい程度の知識を身につけていらっしゃる。
そうでない諸氏においては、統計などいちいち学んだりはしていないかもしれない。
そうはいっても数字が溢れる昨今、素人が持ち出すのだから、こみいっちゃいないので、お付き合いを。
五科目こなした諸氏は、もう日々のニュースの相当以前の段階で、うさんくささを通り越してあきれる日々を送ってこられたものと察する。素人は、最近に気づけた。
日々の増減のナンセンスについては先日もうふれている。
それだけだと言いっ放しになって、もう少し証拠っぽい話をすべきかな、など考えた。
もろその無茶な性質を指摘するのではなく、もし意味ある数値として公表できるとしたら、どう工夫できるかな、と考えた。
でないと、相当な大学とかの名を背負った諸氏がこのまま一般からそっぽを向かれる数値をばら撒き続けかねない。
与党自民党な議員諸氏がけっこうBSの報道番組に出演して生でしゃべってきた。
その諸氏の多くが常識的にしっかり反応されていた。
母集団がはっきりしてないから・・・、なんとも答えようがない・・。多分、官僚試験の前段階の国立大学用の五科目はしっかり学んでこられた諸氏だから素人が気づけるよりもとっくの昔に、日々の増減数字をただだされてもなぁ・・・と困惑されていたのに違いない。
瞬間、当方は素人っぽく、さっさと明解に答えんかい!とか反応してしまったものだが(もちろん、声を張り上げるかわりに心でそうしてたんです)、もうちょっと先で、確かに、おかしいよな、ともうすうす思えたものだった。
で相当に端折って、だから母集団の数だ。
本日は何人検査して、そのうちの何人、割合で言うと、何%の方がPCR陽性でした。
ということを公表してくれれば、それなりに、それらをまとめてよいしょ手法はとれそうだ。
ただし、元になる数量自体の日々の変化があるなら、その数量についての、統計的意味合い、重み調整がいるのかいらないのかの根拠まで示さないと、統計の元になる数値としては使いづらいと思える。
つまり、本日は何人検査して、その検査数に対して、その人数なら、どうこうというコメントがコロナ感染症について言及可能、という感じ。
検査数の量的意味合いもしっかり日々サイエンスしないと駄目、ということ。
更にサイエンスを標榜するならば、インフルエンザとか多くの人々が免疫を多少なりとお持ちのコロナウイルスの感染の状態をも同時に検査していないと、まったく出鱈目な統計調査とさせかねない、と統計を持ち出すマジシャン諸氏には指摘してみたい。

そして欲望の資本主義2021年版について。
毎年やっているけれど、初回の頃に見て、がっかりして、その後は、今回はどうかな程度にしか目を(ほとんどことばを聴いてない感じだ)通してきただけだった。
ところが今回は、ちょっと違った。当方にとってべらぼうに有名な諸氏が出ていなかった新鮮さから、というわけではない。
発言の内容が参考になった。
なるにはなったけれど、作りすぎぃ・・・とスタッフ諸氏には伝えたい気がしている。
そこで早速、この番組を作った諸氏を引用。(NHKの番組表からたどった)
コーディネーター:須山弘太郎、堀内彗悟
翻訳:中沢志乃
取材:真治史
編集:瀬ノ尾義文
ディレクター:寺田昴平、大西隼
プロデューサー:高橋才也
製作統括:藤田英世、丸山俊一
の各氏。(誤字等あればそれは当方の記録ミス)
編集、作りがずっとだけど手が込んでいて、素人的には煩い。(し、心理誘導的手法として使いすぎとも思える)
それは置いておいて、しかし、それゆえに、経済学の重鎮氏と紹介のあった氏が、平等のことと不平等のことの両方をことばにしていた脈絡の中で前者のことしかふれずに流れ去った。その前のところで、後段にてポランニー氏を持ち出すトルコ系と紹介されていた氏の話したことを受けての話という編集上のつながりを視聴者にもゆだねているには違いないけれど、話し手は専門家だからニュアンスが別々に持論を充分に論じられる諸氏には違いない。
引用しない諸氏については、そういうことだったと流してください。
で注目発言の三氏。
ジョナサン・ハスケル
エマニュエル・トッド
ロバート・シラー
それと
マイク・サヴィジ氏
サヴィジ氏については、イギリス発の刑事ものに慣れ親しんでしまっていて(ルーサーシリーズと沢山のモースシリーズ、それと昔のハリーパーマーシリーズなど)イギリスの人々は物語の筋に階級をおくことで座りが良くなるのだ、というのが面白かった。
その座りのよさを失いつつある昨今のイギリス世相らしいことを氏の話から知った。
2020年代をモース氏が、奇跡的によみがえって、時にロンドンのルーサーとかと愚痴をこぼし合ってたりとかのシーンが出てきたらこりゃたまらんわ、と素人の年寄りはつい余計な寄り道をしてしまう。
上記お三人は、やはり騒動は騒動として与件の一つくらいにはしつつ、更にこの先を見通すような内面的ビジョンをしっかりもってはおられるところから発信されていることには気づかされるわけだ。こうじゃないといけない。
先日お名前だけ引用していた、Eddie S. Glaude Jr 氏ともある程度通じ合うような問題把握をされているように受け止めている。
ここらは、サヴィジ氏とも通じる。
50分番組の前項編2本分なので、通してみるというのは今時苦痛かもしれないが、恐らく、この程度の指摘で素人指摘が何だったか位はついでに通じていただけそうだ。

去年末で寒さのピークは終わらなかった。
今年、年初も結構寒い日が続いて、だから寒冷化が正しいんだ、なんてことを言う無茶はしません。
ただ、その昔、舞の海氏だったか(間違っているかもしれない)、力士が経験談として、テッポウを数回こなすと体がポカポカになるんです、とか紹介されていた。
年寄りはそう沢山運動で汗かくようなことはできないからお手軽運動として真似ている。
結構、10回、20回もすれば体の内側から熱くなってくる。簡単内蔵式暖房。お手軽暖房なので、良かったらどうぞ。大木(体重をかけて折れそうなのは絶対に避けてください)を探してそれを相手にすれば済む。