連載は続く~SF掌編『臨時便、水の惑星』編


ジオ番組の方はもう少し整理してまとめ編をメモ代わりに書き込む予定。
先日もふれたけれど、フォッサマグナの話の中で、堆積がたとえば三角州とかで諸氏においてはイメージとして馴染み深いかもしれないのですが、大地が浸食(太陽エネルギーの回りまわっての効果~丸山氏発信を参照)が堆積して平(ひら)地を育(はぐく)む。
そういうことを列島に住んできた人々は、そういうことだったのぉ・・と納得しやすい。
だから、とりあえず”力(ちから)”の向きとして、浸食→流れて→堆積して→流れて→堆積して・・・を想像してもらいたい。
列島の基礎にある付加体はそうやって海での堆積物だ。
陸上だとどうしても浸食を受けてしまう。ついでに流れ去る。
削れていく、っていうことだから、そこらもしっかり押さえておきたい。
そして流れた先での途中下車性にも注意が要る。
人の一生にとっては長すぎるけれど地質上の変化にとってはほんのわずかのことで、そのわずかの時間でさえ実は動き続けている。変化を被(こおむ)っている。
ここらを踏まえてもらえるなら、本日早朝に再放送されていた『大水害』番組の参照できることの貴重さに気付ける。
2015年作の作品を更に改良して2019年に初放送されたものとあった。
NHKBSの『BS1スペシャル「大水害 メガシティを襲う洪水・高潮の脅威2019」』のこと。
一応儀式なので、温暖化で平均的に水面が上昇して水害も多発のようなおどろおどろしい導入部も含まれている。が、そのうちに、水害になり易い現代独特の条件にふれる時間枠になる。
そこでは地盤沈下が数メートル単位でかなり短期間に生じていることを紹介している。
原因は地下水をくみ上げていることが多い。
なぜ?
都市化に伴う人口密集増だ。
貧富の格差には当然無関係に密集自体が作用する。ヒトにとっての水だ。水なしでは直ぐに死んでしまう。
数十年とか数百年とかかかってそうなる場合もあるし、もっとの地質期間を要するくらいのスケールが年数センチ単位で沈下変化を起こす。制御すればたちまち効果を表す。
でも人が集住してくる勢いはなかなか制御できないみたいだ。
どんなに広い土地を使えるお国柄であってもヒトの動きはまた独特だから、思うようにはいかない。
でヒトにとっては難問を抱えることになる。どちらを取るの?めいた。
地下水の汲み上げでは、地盤沈下を避けられそうにない。
そこでダムを作る。治水、利水系のだ。
水をどうして得られる?という問いは利害、考え方を超えて説得力を生む。
他に水を得られやすい手段とかが提案されているならともかく、そうでもなければ、そのまま流れる。
しかし、ダムは堰き止めてナンボの仕組み。
だから先に参照出来たことにまともに影響する。
治水発想にも色々あるので、中では、川の流れのくねくねを放置しつつ生活を営めるタイプたち、は、堆積作用にも相対的に適応してそうだ。道つくりも、等高線に沿ったようなつくりを景観としてみることができる生活圏の人々。
とにかく堆積作用に素直でない場合、流れに流れるか、どこかで溜まって、それ以後の下流域での堆積とか浸食とかの混合の現象を生じにくくしてしまう。草ぼうぼうもちょっとぉ・・とは思うけれど、護岸工事の土(つち)面のない工作後の川沿いも、影響関係に長期では作用というか副作用を生じるはずと想像する。
すまり、スリムに決める、という目標とかではなく、栄養失調のようにひら地がやせ続ける作用の方に働きやすい条件付けを近現代の趨勢は選んできたようだ。
だから地盤沈下は抑制できても、土地を広範にとりわけ堆積でできていた広い平野部は今後どんどんやせていく。決めるスタイルよりは望まないほどやせる。
そして水が侵入しやすくする。
超長期の観点からは、海岸線が後退するのだからで、済みそうだけど、ヒトの一生は短いから、影響してしまう(何世代かの)だれかたちにとっては大変に辛いことになる。

①山は長年月かけてどんどん削れている。その削れたのが流れて広い平野とかを育てている。けれど削れたのはそこに止まらずに海まで流れていく。海では堆積層を作りやすい。
後年その堆積層を調査すると”歴史”を読み取れる仕組みだ。
②温暖化原因説については一応儀式として紹介はされているけれど、ヒトにとって、いったいなぜこうなるの?への答えに応えたいという意欲は抑制できるものではないから、土地の標高が低下するような事態を観察して、その原因まで探ってしまう。それを今時はマスメディアでも紹介してくれている。
⓷水を飲まずいられようか!今時は悲痛な叫びにはならないで済むけれど、ダムとか地下水くみ上げをダメ!としたら、きっと悲痛な叫びがヒトの集住した各所で起こると想像できる。ダムをどうする。地下水をどうする。ヒトの動態へどういう関与が可能なのだろう。
資源を注ぐべき分野に事欠くことはなさそうだ。