連載は続く~SF掌編『猛暑ネタ3題』編


必要とする栄養素の種類、量として得られやすい主食なりを習慣づけていられれば(腸内細菌叢形成とより関わる)、プラスαのおかずと共にのいつもの食事から大抵の人生諸氏は天寿をまっとうしやすくなる。
少食な諸氏にはそれなりの寿命を待てるし、大食な諸氏にもそれなりの寿命が待っている。
活動の状態に応じた腹のすき方を自身が感じられて、食べたい量を食うことが出来る限りで、肉食しろとか、菜食にしろとかの偏りは必要なさそうだ。
時々飢餓信号を心身に提供できることが、寿命と関わる生理に良い作用となるようなことも指摘されている。

ヒトの感触系は細密なことが知られている。わかり易くは年寄り的具体例になるけれど、米粒ひとつの中に絵なり文字なりを描いてしまうようなことが普通にできる。
テレビドラマでの外科医たちの達人技もヒントにできるけれど、こちらは学(がく)がそうさせたのかも・・の方に誘う誤解の元を提供させかねない。


素人老人は、ずっと(長年月)観客がぐっと引き込まれるようなそして楽しみともなるようなスポーツ系の観戦(今時は別のカンセンが流行っているけれど)を好(この)んできた。
キャッチボール発想を共有できるだれかとならば、なんらかスポーツをすることもそれ以上に好むタイプだったりする。
その観客位置から応援する東京五輪編最終版ということで、卓球とサッカー(蹴球)を例にしてみたい。

まずは話題の男子サッカー3位決定戦から。
現日本男子チームを集約的に表現してくれたシーンに気づけたので、そこをとりあげて、応援としたい。
まずはプレーの経過を順に。
(→ はパスの流れ方向)
(数字は背番号(* 1))
①10分13秒(以下単位は略) 14→17
②10:14 17→ 5
③10:22 5→ 2
⓸10:23 2→ 7
⑤10:24 7→10
⑥10:25 10→ 7

この流れの起点は反則、フリーキックという流れの次辺りだ。

①~②は迷いなく繋がる。
③は5がボールを転がしながら、最終的に2へパスを出す。
⓸間隙を伺って動作しかけている7へ2は即座にパス。
⑤状況を見ていた7は相手の気持ちの隙を突く感じで10へパス。
⑥10は自らの置かれている絶好の条件に気づけず、多分ストレスから逃れる為に(だから振りかえるフェイント動作も使うことなく)7へ即バス返しして、その後の6番のどうしようもない状況下でのペナルティキック提供反則を生む。

ある程度、問題の在処(ありか)をにおわす言葉を配してしまったけれど、もう少し丁寧に状況を説明してみたい。

14番の富安選手が17番の田中選手へパスしたのが正解かどうかは、その瞬間時、画面外でどういったパスをもらう配置を可能にしていたかとかメキシコチーム選手たちほどの遠距離パス精度をパスの出し手が持っていたかにかかる。
とりあえず素人的には14→17はあり、と見なす。
17番の田中選手は、パスの受け手がどう展開できる位置取りかなどへの配慮を欠いたパスを出しがちのタイプだ。でもこの時の状況は切羽つまったものではなく、5番の吉田選手へ出して、また5番の吉田選手から戻ってくるのを待てばよし程度のパス出しだ(17番よりの縦の線でパスコースを持ちやすいし、なによりも17と近場の選手には右サイドほどの圧が加わっていない。画面参照のこと)
17番の田中選手からパスを得た5番の吉田選手は、いつもそうなのだけどその時点その時点の展開イメージを把握していない感じだ。どこへどうだせば次へつながるの観を欠く。そして自(みずか)らへもメキシコチーム選手たちの圧が加わってきた。相当なストレスが数秒でたまる。そこで、狭いところだし、圧も加わりやすいメキシコチーム選手のマークが厳しく関わっている選手のうちの2番の酒井選手のところへパスを出してしまう。
2番の酒井選手にとっても大変なパス受け状況を得た格好だけど、状況を瞬時判断した7番の久保選手は動いて2番の酒井選手へパスコースシグナルを出す。
サッカーだから状況判断は将棋とか囲碁と似て、次の一手、その次の一手・・・・と空想にならない実際的な範囲における選手たちの位置把握と動き把握から、状況を判断して、パスを精度よくだす。精度は相手の次の動作に有効になるパスの出し方を含むということだ。
2番の酒井選手からのパスを得た7番の久保選手は、先に指摘したように、振返れば両脇の合計2人のメキシコチーム選手を抜いて、このオリンピックでも走りこんでの精度の良いシュートで一得点した2番の酒井選手と巧み技を仕掛けられる、その可能性に賭けて、10番の堂安選手へ素早いそして足元への正確なパスを出している。だからこそ(堂安選手の)判断は間違っていたけれど、正確な7番の久保選手への返しのパスが可能になっている。
けれど、受けて、ボールさばきは上手いはずの10番の堂安選手だから、すかさず振返って、ゴールめがけた攻撃態勢に入れば、2番の酒井選手と相当な企みを仕掛けて、更に他の選手もと欲張らなくても、相手選手を抜いている状況のはずだから、そのままで名手キーバー氏であっても、相当な緊迫した、魅せるシーンを演出できたはずだ。名手に一点取られてもしょうがいないか、ではなく、取られたくない!!モードにさせ、そういう場面にできたはずだ。
ところが、そうはならなかった。
(動作に誘われた相手チームの動きに応じた状態として)圧がかかっていて、奪いに来ていた相手チームの思うつぼというか、態勢の逆を突かれた返しパスをお迎え態勢の相手チームは難なく奪えて、攻勢に出ることが可能となった。後は御覧の通りの結末だ。
だから素人老人は5番の吉田選手にしろ6番の遠藤選手にしろ(ベテラン選手の区分けを示唆するようなことにもなりかねなかったので指摘しなかったけれど2番の酒井選手はボール扱いが少し上手なタイプだ)ボール扱いに関してはもろ下手とは言っていないけれど、それに近いところで指摘してきたにも関わらず、この場面での6番の遠藤選手が流れを中断させるために採った後方の担当ならではの窮余の策と見ている(反則となったプレーのこと)。
ということは、5番の吉田選手から始まる間違った判断によるパス出しが問題だ、ということはそう指摘しなくても読んでいる諸氏にはわかってしまうので、率直にここは指摘しておきたい。
5番の吉田選手のミスから生じたこの試合を決定づけたシーンだ。
5番の吉田選手は守備では熟練でもあり達人でもある。
それはこのオリンピックの試合中、一度披露している。
ゴール前だから今回の6番の遠藤選手のような事態ともなりかねないけれど、そうなってはもともこもない。そういう場合どうする?の答えを若手の後方担当選手たちに自ら事例として残した。
ルールをしっかり身に着けて、ボールを逃さず、究極のプレーに挑む限りで、昨今はビデオでの確認までできるようになっているから、誤解を招く可能性を極小にできる。それに期待して、お互いがルールに則った究極のプレーに挑むことは可能だ。下手な選手相手だとケガをさせられやすい。上手い選手はケガしないようなプレーまで注意を払う必要が出てくる。(ことしのフランスのチームに目立っていたけれど)上手くて、わざとケガさせにくる選手もいるから、そこらは大変なサッカー界ということにもなるけれど、そこらはいつも心配していてはゲームにならない。
ある程度の技量を持った選抜選手が構成するチーム間でのゲームは、F1やインディカーのレース同様、同じくらいの技量の人々による名人技のコラボレーションをスリルとサスペンスまじりに楽しむことができるわけだ。下手くそだと思うようにはできないから、頼まれてもどうにもできない。
ビデオ再生の結果、ボールをしっかり追っていて、イエローカード提示すら主審の間違いだったことが判明した。そして主審はご立派とばかり5番の吉田選手にこぶしタッチあいさつしていた。

ここらで、そろそろ何が言いたいかの辺りにふれたい。
この時点で、得手不得手は明確だ。
10番の堂安選手が持てる足技、身のこなしにもう少し自信を持って、ストレスのかかる状況でもパス出し相手の意図を汲んだりして、次のプレーに活かせる瞬間技を日頃のシミュ―レーション練習から心身化することを怠らなければ、次の大変な圧の掛かる試合では軽々と魅せる試合の中の一人になっているはずだ。(フォーワードポジションにも関わらずストレスを栄養にできないタイプお二人(18番の上田選手と19番の林選手)がトップ役をこなしていたのも現日本チームだ。フォワードならば、ストレス状況こそ待ってましたと力ずくの突破を図るか、フェイント技をストレスの向きを察知して瞬間計算して選択肢から即選んで蹴っているはずだ・・が・・このお二人はこの点に関してはかなり淡白系な方たちだ。ゴールから遠いところでわざわざシュート!・・だったり、目前では逆に打たなかったり・・)
頭から入ってボール技を身に着けるわけではない土地柄の名選手たちは、息を感じ合う速さで反応し合っているから、それに追従するには同じ育ちがより適切と言える。でもそういうわけにはいかないから、頭で考えつつ、個々の四肢の付き方、育ち方がまったく異なることを念頭に、どういう感触でどう精度として現れるか(どこにどんな圧で当たった場合ボールの航跡は・・のようなシムの積み重ね・心身化)を、なんども試しながら、ストレスにさらされる状況でも素早く反応できるゲームモード身体にそだてないと、その上は絶望ということになる。ここらは力技でねじこめるかもと錯覚しがちな卓球若手勢のことが参考になる。
対一人の選手相手に確実なプレーをしてみせることが可能な5番の吉田選手がなぜかパスをだしたり展開中のパス受け、パス出しのどうってことないシーンで落差のある選手と化す。
時間があれば、心身化のための実際技込みのイメージトレーニン次第で、実は年齢に関係なく身に着けさせることが可能だ。先にちょっとふれたことだ。
でも、その時間はもう取れない、となれば、5番の吉田選手の貴重な技を伝授してもらえる期間のことを問題とすることができる。
5番の吉田選手はこれからどうすることがより求められているか、そこらをきっと判断してくれる。
というのも、(この試合では3番の中山選手が精彩を欠いていたように感じた。なぜかはわからない)3番の中山選手が後方も担当できるタイプとのことで、守備よし、攻撃よしの足技を発揮できる。つまり、オーバーエイジのパス出し(イメージ構想力的)足技を欠く選手に代わる世代が育っているヒントになるのではないか。
3番の中山選手一人ということはありえない。なぜならば、先のイメージ発想(アイデアを持っている)を込みの状況判断できる逸材かもしれない7番の久保選手だけど、じゃ一人ぽっちの単なる逸材なのか、というと、素人老人的には評判のドリブルがもう少しなんとかならないのか、と思えてしまうのだが、その11番の三苫選手や13番の旗手選手(シュートの精度が今一だ)、16番の相馬選手など7番の久保選手のアイデアに瞬時答えていたりできそうだから、同じように機能し合えるプレー可能な選手が現日本のサッカー界にはそれなりに育っているのでは?と思えた。
ということは、監督とかスカウトとか(人事の都合だけど)捨て、取るというようなヒトに対して実に憎たらしいことを担うだれかたちがいるわけで、そういう憎まれ役だからこその給料額だろうし、本当に列島各地に目を配って、育てれば育つなんらかを引っ張り出してもらいたい。
その上で選抜することになるけれど、その時にはその究極のプレーを、アイデアを共有できる程度の技量や体力や心身やの耐性を持つ選手として構成してもらって、魅せる試合を各地で演出してもらいたいものだ。


卓球の方で言いたいことは既にちらっと言ってしまった。
力技でぎゃふんと言わせることは、マンガ的には表現しやすい。
実際には、そういう事態対処はむしろ頭脳系の年月を問わない逆襲として、生じやすい。
いつのまにか力技系は、こき使われる位置にいつもいるようになってしまう。
その昔だって力技系は使い捨てだった。見世物用にだ。
その程度のことに、気づけないなんていうのは、基礎の教養が足りなすぎだ。
だから今時の(競技に)強い選手は、将棋や囲碁やも多分強いタイプだ。
素人老人は言い訳ではなく、キャッチボール発想ゆえ、そういったこととは無縁でいられる。
相手選手は次の動きのための構え(両足の状態とその上の部分の構えとラケットの構えなど)をしている対戦相手の状態を瞬間的逐次(ちくじ)イメージして、キャッチボール発想ではない独特の打ち負かすゲームの発想から瞬時反応動作するシミュ―レーションを心身化している。(この度合が力量の差の一つとなる。試合全体を通して結果する)
ヒトの反応系にはそれなりに制約があるから、100%対応できるわけがない。そこで、名選手たちも、ミスるけれど、それを力技でねじふせた瞬間と勘違いするのが力技系の思いこみ状態だ。
斜めに返すかストレートに返すか、ちょこんと返すか、そこらは、相手の構えの状態次第だ。
テレビ解説の女性氏も男性氏同様に発想されているので、本当はそれら卓球界つながりで直接聞けるし、学べる関係から得た方が良いのだけど、育てる立場の諸氏にはことばにしずらいこともあるかもしれない、ということで素人は”率直”なことば使いを試している。
ついアドレナリンがもたらす生理状態に誘われて単調になって、斜めに返せば有効と、なんとかの一つ覚えパタンを繰り返して相手の思うつぼとなりがちにする。
解説諸氏が指摘することには、返し方で相手の構えを誘導できる、というもの。
それが一定のしばりとなって、こちらの攻めのやり方の選択肢を思い浮かべやすくする。ここらを試合中の数秒間でこなしていく。
そう作用させて反作用の結果の形を得て、それならば、ストレートに返すか、斜めに返すか、とか瞬間思考することに日頃から慣れていないと昨今に限らず、昔から名選手たちにはまったく適わない。適度に遊ばれてしまう。ただし、丁重にあしらわれるから、そこまで卓球技プラスのところに落差のあることに気づけない。ラケット操作では、まったく互角にプレーし合える実力が即、卓球技を、五分なのになぜと錯覚させる。
激しいラリーに誘うとアドレナリン効果が出やすいみたいね、と相手に見透かされると、丁寧にあしらわれてしまうわけだ。
そう誘われて入らなくなったのではなくて、相手が入らないコースを打ちやすくなっただけなことに気づけない。ビデオを見てもなんで負けなきゃならなかったのか、に気づきにくい。
でも解説諸氏世代の方々は頭脳系でもあり、そこらは熟知されている。素人老人の出る幕はない。


(たまたま使うだけで普段は決して使わないことばですが、くそ)暑い今日この頃、だからこそ、というか待ってましたとばかりにご登場、が庭のカナヘビ氏(性別不詳だが何十年と世代をつないできている。0.2メートル)。連中は、この猛暑を大好きなのか?
ちょっとしたキレイな水たまりを舌なめずり。連中も水をそうやって味わうみたいだ。
相当前に紹介しているのだけど、(このカナちゃんや)ヤモやんもちゃっかりそちこちに姿を現す。ヤモやんはヤモリのことでこちらはその昔のいつからか住み着いた。で今年見たばかりのは未だ小さい(0.1メートル)。それに"完璧"に夜型だ。
挨拶しているつもりかこのカナちゃん、首をもたげる仕草できょろきょろしている。
低姿勢でさささぁーっと逃げ去る場合もあるけれど、時にこういう自身の水飲み姿を見せたりしながら、ゆったりすることもあったり。


*1 :
ここで登場したサッカーの選手たち

2 酒井選手
3 中山選手
5 吉田選手
6 遠藤選手
7 久保選手
10 堂安選手
11 三苫選手
13 旗手選手
14 富安選手
16 相馬選手
17 田中選手
18 上田選手
19 林選手