連載は続く~ SF掌編『オフト氏レッスンに女子サッカー』編


 NHKBSにてオフト氏による中学生サッカーチームをコーチする紹介番組を見た。
 3月下旬に行われた。
 ワールドカップ女子サッカーをアナウンサーとして参加していたNHK担当諸氏もこの番組を何度か確かめながらみていてくれたなら、もう少し若者たちに親切な言葉選びを可能にしたのではなど、素人老人ぽい感想も持った。
 列島スポーツにおいては、とくに若者が関わるスポーツに関しては先輩後輩序列を意識させる様々が生々しく作用しやすいのは今もの昔も似てそうだ。
 オフト氏のレッスンにおいては、現場を見続けてきた指導者の意見を参考にして、実力の段階別にいくつかグループ分けした、グループごとの連携練習が繰り返された。
 注意項目など、シンプルに整然と整理されて番組の進行に合わせて紹介されていたから、そこらは是非番組の録画なりオンデマンドなど利用されてご覧いただきたい。
 番組中では現男子サッカー日本代表チームの監督、森保一氏がオフト氏のコーチを現役時代受けており、一通りを体に染みつけておられるようなことをことばにしていた。
 ただし、恐らく本一冊分として理解されていて、そのどこをどういう順で、といった肝心なことに今では気づいていないかのように、日本代表チームのサッカーは、パス回しの女子2022年のU-20、U-18世代のボールさばきの凄さを演じ損ねている、と素人老人は現状、押さえている。(ただたまたま今年の夏になってからか、NHKBSにて夜遅くに放送しているサッカーニュース番組でかつての名バックスだった福西氏が、オフト氏のことにふれてトライアングルのことをことばにしていたから、この世代の選手諸氏にはオフト氏の肝心な伝わり方が成されてそうなのかな、とも素人老人は感想を持った)
 だからNHKアナ諸氏がワールドカップの試合中に先輩格のだれかは凄いとかの類でプレーを評してしまうだけで、その先輩格の選手のだれかが放ったボールに追従できない誰かたちこそが不手際のことばをあてはめる対象のように受け取ってしまったはずだ。
 ところが先輩諸氏のパスはというと、トーナメントに出てくる諸外国のパスの精度の良さのことは棚上げしておいてそれと比較とかの話にはしないけれど、切羽詰まって逃げのパスとか、一応アイデアを持って出したのだろうけれど、相対的に窮屈な状況の選手に向けておかまいなしに出すタイプが目立ったのだ。しかも精度を欠く場合と狙い通りのばらつきが目立つほどのため、待つ側がどう期待したものかが不確実にさせやすいわけだ。
 それと対比できるのが2022年のU-20、U-18女子サッカー選手たちの連係プレーだ。
 そこらはダイジェスト版でならyoutube動画でも確かめられる。
 女子サッカーのWEリーグカップも始まったところで、本日(8/26)の夕方の試合、長野と日テレの試合では、日テレの監督が試合80分経過したころにU-20世代の選手を入れてきた。
 そして日テレチームのストライカー植木選手(9)が2点目を記録した時、そのお膳立てはワンタッチパスの連携だった。
 この日、不調かもとも思わせた山本選手(19)も、他のシーンでもそうだったのだが、ワンタッチで精度良いパスを出す際は実に精彩を放つ。
 藤野選手(11)が24番の選手へさりげなくボールを放つとその24番の選手からパッ・パッ・パッ・パッ・ストーンでシュート!くらいのリズム感たっぷりにゴールネットを揺さぶっていた。それもかなり強烈にゴール前を斜めに横切って飛んでいくシュート。
 このシーンについては、経過時間90分ころからちょっとさかのぼって録画を見てもらえる。(WEリーグのページのライブ項目をクリックすると動画メニューが表示される。オープンに見ることができるようになっている)

 2018年U-20世代以前の先輩諸氏が、今時のU-20、U-18世代の連携の精度や技の質に感動してくれて、自分たちも体は老いたわけじゃないから、遅くはない、で、精度、技の質をオフト流に学び直してもらえると、きっと凄いチームができる。見ていて面白くなる。
 それが満遍なくできないようならば、WEリーグの各会社が、自分のところは主に現U-20、U-18世代の選手が構成するチームでWEリーグに挑もう。別のところは、2018年U-20世代以上の年代の選手が主なチーム構成でWEリーグに挑もう、ということにして、質的実力を整えて可能になる連携を披露していただき、年長組も負けてないねぇ・・とか、さすがU-20(、U-18)世代だからこそできる魅せる連係プレーだなとか、観客席を湧かせてくれたり。
 現U-20、U-18世代は体が急速にできていく時期と思えるので、無理のさせ方にも工夫が要る時期と察する。
 姿勢を本人の思う方向との兼ね合いで楽な"自然体"に向いてもらえれば、というタイプのU-20の中では少し年長の選手もおられて、素人老人的には、なんとかなるといいな、と思ってしまうのだが、U-20世代は、ヨーロッパ北欧系の巨体な女子との試合で相当に逞しい方で体ができつつある感じで、そこらは、植木選手の果敢な相手選手との駆け引きのシーンなども若者たちには良い刺激となってそうだけど、女子のサッカーとして、乱暴に走らない限りで、とか素人老人の余計なお世話関心もついことばにしたくする。
 つまり、2,3年後が今の現U-20と現U-18が同じ条件に近づくということで、同じチーム構成を可能にする。2025、6年はその世代のみで代表チーム(の場合)が可能になる。
 問題は男子サッカーだな。オフト氏のコーチを得た中学生たちは少しは感化されて、パス回し系のサッカースタイルも悪くないね、となってそうだけど、Jリーグの試合は、中々そのノリでは、対応しきれないタイプの体の使い方が流行ってそうで、客はたくさん入っているようだけど、見ていて面白いのかどうか。

 海外のチームでも同様のことが必ず起こる。
 ということで、U-20、U-18世代だからというところにいつまでも安住できそうにはない。女子サッカーの場合、乱暴過ぎると審判が厳しく出るから、そこらも作用して、連携パスサッカータイプの競り合いの面白味は、女子サッカーが当分担うことになってもおかしくない。

 


   川柳もどき

    遠くに稲光
    雲行きは、そろそろ、を思わせ
    だけど夕方の散歩、くらいしたいものですね
    で
    降りそうな雲の方角を選び
    ちらほら降り出したかな
    を一応シグナルに
    逆戻り
    釣りの気象勘ほどではないけれど
    一時的に猛烈な雨を
    避けて帰れて
    それが満足感を誘うとは・・