連載は続く~ SF掌編『日テレチームがちふれチームのホームで試合』編


 10月1日15:00キックオフのゲーム

     ベレーザチーム       ちふれチーム)
   ■:  2人           5人
   ▲:  6人(含むGK)      3人
   ●:  3人           3人(含むGK)

 フジテレビが放送していた2022年U-20世代チーム間での国際大会(スペインチームが優勝した)から女子サッカーを見るようになった素人老人にとって、ホームとビジターが二手に分かれて観客席まであつらえられてしまうタイプのサッカー試合観戦はずっとこれからも慣れないままになりそうだ。
 ところで、この試合では、上記のように実に特徴的な試合展開を見ることができた。
 前半、この構成だからこその男子チームでもおなじみの旧タイプのミドルぎみのパスで短絡させてのシュート狙いへ向かわせるような場面と静的な位置関係での隙狙いのパス回しを両チームというかよりボール支配したベレーザチームまでもが採用して展開した。
 だから、チーム構成をご覧いただければ気づけるように断然守備となればちふれチームに有利の可能性大と見たくさせる(守備においては、足技下手(トラップやパスが典型で相対的にやや不正確かかなり不正確)な中堅・ベテラン選手諸氏は相対的にゲーム勘とか圧行使に長(た)けるから、20歳前後かそれ以下の年代のヒト相手だったらで対応できてしまう)。
 その通りで、ベレーザ27番樋渡選手が活発に動くもなかなか点に結ぶ付けられる状況を作れないまま、ちょっとした隙ありで一気の攻めを得点に結びつけるちふれチームというゲーム進行となっていた。
 その際も、隙ありですかさずシュートしていた7番大曾根選手やパス回しの癖を感知してその隙をつくことを他の試合でも見せている10番吉田選手はこの試合ではとにかく活発に(試合後のインタヴューでは地元での試合なので気合を入れたとかおっしゃっていた)奪って即ゴールへ向かう動作を繰り返していて、それが2得点につながっている。そして両選手はU-20世代だ。
 この前半の展開を見終えて空想してみたのだけど、松田監督はベテラン(■)、中堅(▲)を前半に若手選手(●)たちとともに出場させて、後半のある時期に若手選手起用というパタンを取りがちのように素人老人俄かかもしれないが、そうでもないかもしれないファンとしては受け止めているけれど、そこを活発な前半にほぼ若手だけで構成のパス回しで攪乱して、隙ありでドリブルでの場合もあれば、更にパスの巧みを連鎖させて翻弄しきってチョコンとゴールに流し込んだって一点だから、そこらはファンを楽しませてくれるゴールまでの巧み技だからこそできる演出次第ということになる。
 そうやってある程度の得点が成った場合、後半の20分前から10分くらい前のところで中堅、ベテラン選手の中ですでにかき回して相手チームが翻弄された状態の所へだから、活発な元気な状態の選手を選んで交代出場してもらう、という変化技は、恐らく、足技を補って余りある中堅・ベテラン選手勢ならではの守備力と隙あらばシュートも、という二足の草鞋作戦が可能になって、得点貯金を保ったままでもいいし、旧タイプどうしのぶつかり合いになる可能性も充分だから、下手すると失点もありうるしで、でも確率的に攻撃的に守備できるタイプたちと想像できるので、より固く、得点差を守ってくれて無事試合終了を迎えられそうだ。
 この試合でも後半、若手選手たちが交代出場してきて

■:▲:●=0:5:6(頼りのDF村松選手が多分負傷した感じで後退している)

 のような構成となって、パス回しの工夫が随所にみられるようになったけれど、点差からして現場の選手たちにしてみれば、そして若さが作用してしまうから尚更早く点をとらなきゃの心の動きに誘われるミドルパス頼りも目立たせていたけれど、それでも工夫も欠かさずにちふれチームが沢山リードしているのに、何気に(ベレーザチーム(時に隙ありでちふれチームの一気攻めがあったり)の)攻めた感じで後半の後半では試合展開は観客の双方を沸かせていた。
 村松選手は交代したけれど、25番池上選手が走るのも早かったからか、一気攻めの各所を制御していたし、同様に、交代して入った若手各選手諸氏が守備面でも制御できて追加点を防いでいた。
 そういう動きがあってこそか、DFの5番松田選手が隙ありのシュートを決めている。
 前半が始まる前、素人老人はウォーミングアップでの両チームの様を見比べて、もしもベレーザチームの布陣がU-20世代系パス回しを可能にできるようなら、ちふれチーム構成からしても、動きの違いからしても、ちふれ守備スタイルを(パス回しで)崩してそれなりに複数点積み重ねてしまいそうだな、と勝手に空想してちふれチームに余計なお世話になるけれどちょっぴり同情していたわけだ。
 始まってみれば、上記の通りの構成と前半の展開となっていた。
 失点防御術は男子も女子もで各チームのコーチ陣は今時のU-20やそれ以下の世代を育ててしまった素人老人からすると奇蹟かもと少々信じられないというか、元々コーチ系がそういう発想を持っていてそれが素材たちと出会えたことで一気に開花してしまったのかとも思えるけれど、(ゲームと関わらせて)ボール扱いの感受性が異質なくらいまで変化してしまっている。先行世代はなんとなく遠慮してしまって可能性止まりにして体を熟成させてしまった可能性として想起できると、突然の変化にもそれなりの流れとして押さえやすくする。(だから世代わけチーム間での試行の期間をWEリーグでこなして追々世代交代が成って、異質が普通になる時代を迎える、という空想も可能になる)
 得点したにも関わらず、何気にやり足りなげ11番藤野選手などは、旧タイプのなでしこチームでも活躍しなきゃならないし(下手すると体が旧タイプ連携のりを覚(おぼ)えてしまう)、ベレーザには今のところ未完のパスプレー巧み技チームが控えていて、そこでの巧みな関わり方での名人芸役にも挑めたりで、役回りとしては、結構むずかしそうだ、と素人の老人からは思えてしまう。
 これまで、WEリーグカップの試合では見たことのなかったベレーザチームの若手選手も皆足技や体のこなしが上手で、圧に強い選手もいれば、もう少し出場機会を得て若い今こそ体に覚えさせてもらいたいな、と思える選手もいらっしゃる。
 WEリーグカップの第1試合、長野チームとの試合でのパス回しが印象を濃くしている素人老人にとっては、(以下敬称略)3番村松(の巧みな転がしパス)→11番藤野(広角視野からのきっかけパス)→24番柏村→18番岩崎(折り返し動作あり)→10番木下→18番岩崎→19番山本→18番岩崎→(23番氏原のゴール前突っ込み)→9番植木(シュート・得点)
 ベレーザチームが軽快にボールを回せる場合、ボールを得やすい位置へと各選手が巧みに動いている。その動きの状態へ相手チームが誘われる場合と静観できる場合とでは違ってくるけれど、静観時ならヒトの動物と比べての反応時間の遅さ効果を使って、動的パス連携のその先を狙うことができるし、動いてくれればそれなりのパスコースを呼び込みやすくできる。
 前半若手チーム化については、たとえば先のパス連携に絡んだ18番、24番の若手選手は今日の試合では、圧に抗してボールを確保したりしているくらいだから、多分、任せてみるなら、それなりの試合運びをしてくれそうに素人老人からは想像できた。
 動的パス連携が上手くいく相手がいてくれているか構成判断をファンがするとするなら、たとえば10番の木下選手がどうパスと関われているかを見て一応の判断ができる。
 そういう動きを察知できてこそ11番藤野選手の関わり方も活(い)きてきそうだ。
 とにかく、動的パス回しチーム化が熟成して2、3年もすれば、とてつもないチームにはなってしまう。現雇用選手構成で同じことをやる気になればできそうなのは大阪チームくらいで、ちふれチームは若手がGK担当に偏っていたり(7番と10番とでU-20世代ならではのパス回しが完結してしまう)とか、それぞれのチームで若手を活かすか、世代交代する10年後くらい先を待たせて体が昔を思い出して再活性できるのか心配になったりが素人老人のまたもや身勝手な空想だ。
 攻撃面の精度を欠く中堅・ベテランが構成するチームは守備面で相手チームである攻撃的若手チームを十分に育てる役をこなせる。だから、そこらの中長期構想めいたのを各チームをまたにかけてこなせるどなたかがいてくれると素人老人の身勝手な願望は少し満たされそうだ。

 

   川柳もどき

    試合会場の客席をぐるっと見渡してみた
    ちふれチームホームグラウンドの演出は賑やかだ
    大人たちに混じって・・というよりもずっと大勢の子供たちが
    草サッカーのりの野次のりで応援の言葉を
    グラウンドに向けて放っていたり
    もっと幼い子供たちも親たちとともになんだか楽しげだし・・・・
    ザっときた俄かの雨にも
     中には屋根の下へ退避したり、お手軽カッパを羽織ったり
     ちらっと外を見たのだけど
     屋台かなにかが出ていて、結構人がごったがえしている
    今時、5時近くなると日が陰ってくる
    その相対的暗さに目は慣れて、
    残暑っていつのこと
    老人は爽やか気分で
    選手たちは負けても勝っても気分調整がちょっとの間、大変そう
    ワイワイ食べれば通常気分は復調
    宇陀には江戸期にできた薬園が今も耕されていて
     三浦三郎氏がその記録本を再編集している