連載は続く~ SF掌編『テレビを見過ぎて"妄想"ということばを使ってみたくなっていた』編


 刑事ものドラマばかりではなくて、テレビ放送を見過ぎがちな老人のことはしつこくことばにしてきたけれど、そのため、"妄想"ということばも、どこかで使ってみたくなっていた。
 先日の大宮ベントスチームと大阪ヤンマーレディースチームの試合についてふれなかったことにホーム・アウェー方式についての素人老人身勝手思惑からの違和感というのがあるという話題そのものについては以前もふれているけれど、この試合でもその感を持つことになる。
 つまり素人老人性の妄想が生じて、ひょっとして、アルディージャ男性チーム同様のノリでからのホーム側応援が大変に盛り上がったNack5での試合では、若者チームである大阪ヤンマーレディースチームはちょっとこころのさみしさをいだいてしまって、そこを弱みとばかりに攻められてしまったのでは・・・・・。
 本日のハイライト版から負けはしたもののヤンマーレディースチームいたって元気そうだった。しつこく攻撃パタンを繰り返せるようになれば(つまりボールを保持し続けられるかどうか、そういうゲーム展開をこなせるかどうか)おのずから得点の2点や3点は取れるようになる。
 同じ本日の浦和レッズレディースチームと日テレ・ベレーザチームとの試合をなぜか見に行きたくなった。先の妄想がそうさせたのだった。
 ずっと強いままだし、ついこの間までアジアでの数試合を連勝してきて疲れも残ってそうだけど、それ以上に意気軒高といったところのはず。そのチームに若者主体の日テレ・ベレーザチームが挑む格好だ。浦和レッズレディースチームの応援も男子レッズチーム同様のホーム・アウェーノリでの大盛り上げ方式だ。するとちょっと素人老人的には妄想上、心配になっていた。一人でどうするの?と客観的、普通に冷静に考えられれば、放っておいても今時の若者、大丈夫、となるはずだが、そこは妄想、一気に、行先は西が丘サッカー場、と向かっていた。
 一応現場の生々しい一面を素人老人流に紹介しておきたい。
 未だ当日券を入手できていない段階だ。
 アウェー側のゴール裏席ではレッズレディースチームの彩りが一面に展開していて、しかも雄たけびに近い合唱が、太鼓の音とともに響き渡っていた。
 こりゃあ、素人老人の妄想が実は、そうではなかったのかも・・など妄想を更に重ねている始末。
 で入場券を手に入れ、スタジアムに入る。
 素人老人の感覚からする満員状態については以前触れたとおり。その感覚からして、今日の西が丘は超満員と感じることになる。入場券をなんとか入手できて、中に入ったら本当に人が席を埋め、ごったがえしている感じ。
 来たことも間違ってたかなぁ・・・とは思わなかったけれど、素人老人感覚なので、空き席もありなんとか探して座れた。
 ベレーザチームの応援団のごく近く。こちらも実は派手に太鼓叩いて合唱して応援している。
 既に老人性妄想は裏切られた格好だ。だたし、ホーム・アウェー方式の応援合戦タイプに陥らせかねない。
 余談だけど、浦和レッズレディースチームと大宮ベントスチームの試合はだから、素人は行って実見したわけではないけれど、第三者の居場所を探すのが大変そうに空想してしまう。ここらも空想なので、実際には結構楽しくゲームを見ていられる可能性の方が多分大だ。
 西が丘のベレーザチーム応援団の側には実際には親子づれが実に沢山おられたことを紹介しておく必要がありそうだ。
 男子サッカーのテレビからも伝わってくる異様さとはまったくことなる景色を実感できる。
 ということで、応援圧の問題、妄想は個人的には微妙なところをうろうろさせている感じだ。
 ちふれチームとベレーザチームとの試合の時、女子・男子の子供たちも大勢見ていたことは以前触れたとおり。女子サッカーは、女子寄りの筋肉系が作り上げた総合芸術系スポーツということで、独特の展開性質を読める。そして観客の応援のあり方も、多様な観客が支えてくれる。もっと人数が欲しいと宣伝中だけど、素人老人的には3000人くらいでなんとか我慢していてくれると有難い。10000人前後でぎゅうぎゅうの観客キャパのスタジアムに3000人。

 ところで試合と関わる選手諸氏のこともふれておきたい。
 藤野選手、石川選手ら素人老人の表現上の若手選手たちが逞しくなっている辺りはふれてきたけれど、中堅、ベテラン選手たちは年齢的にも頑丈になるのに加えてゲーム上手という意味でも体の使い方が逞しかった。それは、特に楢本選手が顕著で、清家選手も少々遠慮がちな感じだったのだが、いざという場面では若者たちの押しをものともしない勢いを発揮していた。浦和レッズレディースチームの若手選手は大勢おられるので、浦和には三人もいるということからして、当たって、当たられて学んで、将来逞しいのが育って、また強いチームになりそうな気配だ。
 というのは、前半は日テレ・ベレーザチームがほぼボール支配手法を成功させて一方的な攻めを可能にしていて、浦和レッズレディースチームにはいいところなしの感が濃かったのだ。
 石川選手は後半登場なので、中堅・ベテランのお二人がボールを奪われる勢いに飲まれていた感じだ。
 チャンピオンの立場といってよい浦和レッズレディースチームに対して、今の日テレ・ベレーザチームは・・と(妄想抜きに)これは実際に起こっていたことだ。
 後半、浦和レッズレディースチームもボール保持の日テレ・ベレーザチームの選手へ圧を猛烈にかけ始めている。(一応、若い方々ではあるけれど)"老練‟なチームが若手主体のチームの手法を真似ている。
 真似られないのは、日テレ・ベレーザチームがもしも、前半を素人が言う若手で固めて複数点を確保して、後半につなげて、フル活用できてヘタらない時間帯を、構成の半分以上を中堅・ベテラン選手に委ねる交代をしてしまうゲームの組み立て方式。
 今のところ松田監督は4:6の構成で組み立てを図っていらっしゃるようだ。6が若手。
 それだとどうしても、中堅というか2018年U-20世代ゆえのトラップとかバスだしとかの微妙なタイミングロスを介在させやすくして、ボール保持方式での攻撃パタンが相手チームへ必要な圧をかけ続けるタイプではなくしてしまいがちにもしてしまう。
 けれども、折角の各年代が居てくれるチームの好条件を、また選手諸氏のモチベーションをいつどこで呼ばれても万全の状態でグラウンドに立てるように保っていてもらうためにも、試合に出る機会を適時なり、必要だからこそそこに居てもらう実質刺激がいつも要るだろうし、そこらは素人が考える以上に松田監督とかそういう立場の諸氏は切実に考究されつづけていると察する。
 それゆえ、前半に手持ちの若者諸氏を全員投入するくらいの構成で、点を取りに行ってもらいたい。浦和レッズレディースチームとの試合の前半でみせたやり方は相手チームが同等に上手くならないと五分の勝負はできそうにないくらい凄い。
 そのかわりパス回しの緩急を使って一時的でも呼吸を整え合う程度のこともできにくいせわしなさを伴わせそうだ。するとどうしたって疲れさせる。そこらは課題かもしれない、と素人老人的には空想してみた。
 男子スペインU-17チームはテンポを使い分けするパス回しを可能にしている。
 日本のU-17も真似られる素地を持つ。
 日テレ・ベレーザチームも相手チームのその日の試合での感触を確かめ合えたなら、パス回しの応用としての緩急応用くらいはできそうだ。
 クラブチームとして国際試合に出るには、素人空想にしろ、そこらもクリアしていう条件とできそうに思える。
 現浦和レッズレディースチームはこれまでは最強のしっかりゲームを支配できるチームだったけれど、と素人老人は空想的に指摘してみたい。将来は先の通り明るい展望を持っている。日テレ・ベレーザチームが育成を怠れば逆転されかねない。
 もう少し現実に戻せば、現状、松田監督は若手に生のプロの女子サッカーを体験させて自ら育ってしまうことを期待していところ、つまり、これまで本日の清家選手や楢本選手のような国際試合で逞しく育った選手との試合をほとんど経験していない状態では、WEリーグの試合でしかもトップの位置に居続けるような試合を20試合とか続けることはできないだろうくらいの実感のところで育成中、という方が近そうにも思える。それが成って、ほぼ若手層だけのチームでの試運転がどうなるかを試せる、といった段階、なのかな、とわかった風にことばにしてしまっては、素人老人としては残念なことになりかねないわけで、早く前半若手7か8割とGKと村松選手+だれかくらいの構成で、後半のある段階から中堅・若手がそもそもパスミスとかトラップのほんのちょっと粗いのが許されるゲーム展開に切り替えたチームとして点を守りつつ、好機到来は見逃さずに点を重ねる。そして自動的に勝ちポイントを得られる。
 現状日テレ・ベレーザチームでは、藤野選手が相手チームの選手を引き寄せる役が自動的に生じやすく、その隙を他の選手たちが見逃さないし、利用しつつ、パスとかシュート機会とかを使いこなす精度意識があれば更に点を稼げる。
 このパタンを相手チームが覚えてくれることで、その頃から逆に、藤野選手にも隙を得られやすい機会が訪れやすくなるはずと素人的には空想できる。
 前回の日テレ・ベレーザチームの試合で藤野選手がキーパーのまた抜きシュートを狙ったところ防がれた。
 それを日テレ・ベレーザチームの選手諸氏は即吸収して、次の北村選手は脇を狙い得点。
 その次の木下選手も脇を狙って得点している。
 どちらも藤野選手がGKと対した場面同様の位置関係での工夫を成している。
 だから年代違いであってもサッカー勘というのかそこらの共通性みたいなのの凄いところは、年代は関係なさそうだ。ただ集団的な育ち方の過程が、ある年代にとっては普通のこととしてこだわっているわけではないのにできてしまう類の違いが生じる。
 それがボール扱い上での動きつつボールを処理する中でたとえばトラップだったりパス出しだったりと関わる精度の問題になる。また頻度ということでの耐性も同様と察する。 なぜそういうことになっているのかの辺りは、重要なこととも思えるが、とにかく、現場を担った列島各地のU-年代を育てている最中の各コーチ陣諸氏に聞いてみるのが一番のように思える。
 それと気持ちとか意欲とかそういう向き合えてしまっている若者たちがどう思い込めているかの辺りを、彼らなりの言葉で語ってくれれば尚更推論しやすくしそうだ。
 ここらはスペインチームが例となるように世界中で起こっている。ここらも是非調べて記録しておけるとよさそうだ。
 サッカーに限らず、若者が育つことと関わらせてのヒトにとっての知見とできるかもなどは、素人老人がまたもや妄想中、ということになる。