連載は続く~SF掌編『小氷期研究家諸氏の成果を参照』編

 

さんざん言わせておいて、それにはそぐわない事実を、成りそうになければ、無理やりにでも新作してしまうタイプの情報系操作に、(ついつい快楽系からの誘いを受けやすい)それみたことか発想の脈を当方はずっと勝手に新自由主義の芯に近い実戦部隊と表現してきたので、去年から今年にかけての動きについても、なんとなく指摘しておくことが若者たちの経験に参考になるのではなど、年寄りめいた所で考えている(そうは言っても、更に、事情通発信を整理できるなら、同脈内の試行錯誤に過ぎないとも指摘されているわけで、出来の内輪もめか、偶然の内輪もめかはともかく)。

さてそういう陰に近い湿を感じさせる捏造系の勢いのことは棚上げにして、より事実進行形のところで、ヒトはいかに対処可能か、事前の準備が可能かなどを想起させやすくする番組を見ることができたので、それを紹介したい。
なんと2年以上前の放送作品の再放送だった。だから、その年月分、知らずに、趨勢のことを語ってきたことになる。(つい先日11月3日17:25NHKBS放送の”驚き!地球!グレートネイチャー『地球事変 革命を生んだ小氷期』”)
また内容から、一つ、やはりこれから知識の内実ということを体得出来ていけるはずの若者諸氏に向けて指摘できることを先にふれておきたい。
地道に研究を続けることは、本人にとっては夢中になれることだから持続性云々は余計なお世話になる可能性大。けれども、入り口の所では、未だ迷いを生じがちにする。
地道な研究・調査は、ある段階で判ってきて、周知させたい内容を含むと判断できる時点を体験できるかもしれない。そんな時でも地道さゆえの制約をきっと囲っている。それでも、わかるやつにはわかるし、そういった目利き諸氏のだれかしらたちがその時点での流通しやすいメディアに属しているならば、必ず、多くに届くような番組くらいにはなって報じられる、ということにも気付かされるわけだ。
インターネットの時代であっても、当方がその証拠になるのだけど、この番組内容に当たる内容を発信するどこかに当たってこなかった。そういう”インターネット現事情”を指摘できる。
では早速、番組の内容を。
とりあえず三人の研究者が登場したので、その方々のお名前を。

○ シャンタル・ヘンドリクス氏(地質学)・・・・・以後”シ氏”と略
○ エマニュエル・ガルニエ氏(歴史気候学)・・・・以後”エ氏”と略
○ クリスチャン・プフィスター氏(歴史気候学)・・以後”ク氏”と略

シ氏の紹介に依ると、オランダの大きな湖、アイセル湖はその昔、何度もの大嵐に見舞われて形成されたという。氏の専門が地質学なので、その証拠を踏まえた発言になっている。
嵐は14世紀前後に生じたのを指す。
風原因の高波が生じ、内陸100kmに及ぶ洪水を引き起こし、湖化した。

→14世紀前後の気象の激しい現象を想起しておく。


エ氏のところでは、次のような事例が紹介された。
まず
1784年1月31日 (多分パリ) -15.5℃ をある修道士が日々の記録の中に残した。
1784年冬にはセーヌ川が凍結している。
少しさかのぼって
1783年にアイスランドラキ火山(火口幅100m程のが25㎞に渡って140個連なる火山タイプ)が噴火した。
1783年6月から9月にかけて、パリ?では曇や霞の気象が連続していた。

スイス、アイガーの近くのアレッチ氷河の変化を知れる写真が残っている。
1850年の頃の氷河の姿写真および、その最高位を示す現土地の線を為す地形。
その下に今でも広がるアレッチ氷河の姿。
今でも高いところでは900mの厚さがある。


ク氏によれば、小氷期は13世紀から19世紀まで続いたとのこと。
気温変化のグラフが紹介されている。(どこの?今の時点では確かめ損ねている-引用者)
気温変化は前後との関係も体感上は響くから、上下動の様を参考にできる。
で中でも一番低下した時期は1600年頃から1700年頃にかけての時期。
その以前に1450年頃から1480年頃にかけても下降後の不安定な持続を表している。
現ヨーロッパとアメリカ域は小氷期の期間でさえ寒冷化しやすかった。
証拠がその間での氷河の発達。
この小氷期に育った氷河が今の気温状態ゆえに融けているとこの番組から踏まえることができるなら、氷河の後退現象にも一定の理解がいく。間氷期の中での小さな変化としてしっかり押さえさせる。(地球温暖化のような話しにして油断させるようなことにならない)

下降期
1400年頃から1450年頃
1550年頃から1600年頃
1800年頃から1820年

上昇期
1480年頃から1500年頃
1700年頃から1720年頃

谷ないし台地状の安定期(といってもギザギザ波の不安定要素含む)
1450年頃から1480年頃
1500年頃から1550年頃
1600年頃から1700年頃
1720年頃から1800年

大局は太陽活動が作用したと推測されている。
局地的には火山活動など天変地異が作用する(規模に依っては全体を覆うことも含む)。


という感じで、実は、研究・調査活動は継続していて、小氷期についての中公新書など紹介はかつてからあったのだけど、より具体的に時期時期の出来事が整理されて、どう大変だったのか、どう対応可能かなどを考える材料になるまでになっているようだ。

*列島では地震とかも考慮が要る。

いったん太陽活動が不活発に定常化すると、数百年は続く可能性を示唆された。
その間(活動低下は宇宙線の侵入度合との関係からの諸現象への考慮が要るようになる。単位面積当たりの太陽エネルギーの注ぎ量はほとんど変わらないというのが今の知見だ)気象が(それまでの慣れとは異なるので)乱れ、時に慣れない大嵐も生じる。風が波を生じさせる。嵐の規模によって波の度合も極端に変化する。地震以外でも巨大な波が生じる。
局地なこともあるし大規模なこともありうる。
どうってことない地元の小河川が凍ったり、その氷を押し流す現象が様々な不都合を生じさせる。(氷に限らず材木・土砂とかが)堰き止めて、洪水に繋がるとかは、昨今の列島でも似たことを経験済み。
気象頼りの生産・流通活動が一番に影響を受け易い。
寒さはインフルエンザとか独特の生き物現象をも活発化させる。
寒さは体調維持にも影響する。
宇宙線量の変化がもたらすことへの全般的影響をしっかり整理しておけるかどうかも重要だ。
今のデジタル化楽観論には一定の準備の様々への配慮を促すはずだ。(代替となるローテク、<沢山の>人手たより・持続的に技能を保持してきた伝統技+協業連携の巧みなど)

素人発想の当方的には、超小型で各世帯一個準備できる核融合エネルギー源の発明と実用化が成っているか、或いは、安定的電力供給と配電網の確保を前提に長期貯蔵・高効率でかさばらない電池が実用化しているかなど次第で、全然、ヒト集団の営みの湿が変わるだろうと空想できる。
氷期現象ですら・・の感をいだけないだろうか?
これが氷河期中の氷期間氷期並みの変化にさらされる現象のどちらかへの変化期となるとそれはそれはの激動をも予想させるのではないか。
ヒト集団の営みにとっては相当な試練となりうる。
歴史年表のなになに時代位の幅で激動が介在してくる。その激動の度合は一世代内ではあったり無かったりする可能性を含ませる。
しかし有りの時期に遭遇した人々は、小氷期内での変化どころではない激変に遭遇することも起こってくる。(室町期から明治期にかけてくらいの年月)数時代を経た変化となると、信じられないようなことが生じやすい。ここらは南極の温度変化のグラフからいくらでも想像させることだ。

生活基盤を確保できていて、その上で、激動のさまざまをシミュレーション出来て、それに備えた具体的な物を整備しておく。
ヒトの移動をどうその時期時期の変化後の状態に適応させておけるかなど。
ただ、ここらは一、二世代内でのどうこうの話ではないから、多少迂遠なような話になってしまう。
でも何百年持つ住み続けられる家が(それを基礎に他の試行錯誤が可能になるのだから)やはり重要だったことに気づければ、集団の営みだからこそ、またその集団の保持の巧みが時代とともに知恵を付けて無理のないやり方を可能にしていけるものであればあるほど、それを基礎にしてその上に築ける試行錯誤の様々を想像できるはず。
その基礎には衣食住の要素を想像できないといけない。
エネルギー源ということも、太陽の照射の万遍なさとは別に、宇宙線量の変化で地表面は脆くも変化を被ってしまう。地震とかエネルギーが関わる諸現象とも濃密に絡む。
だからヒトならではの巧みの介在の余地を指摘できる。

(全地球史上、多くの場合他の時期はヒトにとっては高温安定過ぎるので)氷河期という幸運の間は絶滅しないヒト、ということを前提に、やり繰り算段の知恵の限りをこの時点でも試してみることは大事かな、とSF的には思ってしまう。
ネットで指摘される、世の”戦争屋”諸氏の頭の中身の転換を期待したい。