連載は続く~SF掌編『不思議なコロナ風邪』編


恐らく、列島在住な人々は、大人にする、一人前に育てる熱心さは諸外国の親諸氏同様に厚かった、と見なしたい。だからこそ、自発的な個々がありえている。内面に近づけるなら(もちろん難しいことだ)、伝統的に内面化しているお互い様意識の向きと自らの行動性の向きとの折り合いをいつでも試行錯誤し慣れている。そういう一人前育成をある時期までは大半の親が成し遂げてきていた。
その名残りで、判断として実質得たいのしれない事態への緊急の構えが暗に要請された時には、自らの行動規範として、自らの、というところが大事、で、自粛と見える行動を取れた。
でもそれは事態についての性質を受け入れられたからだ。
狭い列島のどこかしらで相対的に多くの人々が住んできた。歴史上の人口統計では、より少ない人口だったことをふまえても、それなりに住んできていた。
そして住む場所では安全性とかから限定された範囲がより多くを住まわせた。
そういう長い経験はヒトをして、知恵が身に付くように仕向けるし伝承させる。
生活の形へとも浸透させる。
個人の内実を相当に濃く持つ人々について、食器の個々性を指摘された研究者の著作からのヒントはその昔の懐かしい思い出だ。
他人への関心の向け方や空気を読んで、なびかない気質を多数派として、偏らせる方に力を発揮してくる異常者をそれとして指摘できる世間を持っていた。
個々性を内実として濃く持たせつつも集団のバランスを保たせる”いい加減”に見えてしまうかもしれない立ち居振る舞いのあり方を独特と見るか、経験の賜物と見ることができるかでかなりその先の決まり方に違いを生じる。

今時は、軽い風邪とわかったのちも、患者が多く発生しているから統制しろという圧に国政までがなびくようなおかしな風潮を生じさせている。実際におかしい。
風邪だからって、いつものことで、せきやくしゃみをするだれかたちはエチケットとしてマスク位する。そうでない人々はしてない。
無症状でもひくからのこのコロナ風邪は、だれもがマスクをすべきだ。
それが重い症状を簡単にだれもにもたらし、しかも簡単に感染させるタイプだったら、今のようなどんちゃん騒ぎはきっとできない、と素人でも想像できる。
風邪タイプの重病にもなりやすいタイプは、豚とか鶏を全滅処分するくらい、免疫がキーになる。だから、今ももしそういうタイプのコロナ風邪だったら、むしろ独協大の歴史知賢を披歴されるタイプの教授氏が紹介してくれたように、どう免疫を軽く簡単に身に着けれるか密かにでも工夫しまくっているはずだ。感染をコントロールしやすいけれど、とてつもなく重症になるタイプなら、罹っただれかをちゃんと隔離してるだろな、とかその近くにいただれかも含めて隔離してるだろうな、などと、人権などどこかへ言ったような騒ぎが、公務系からの強めのお達しが薄れるたびに暫くは繰り返す。ここらも経験から列島の人々は賢く対応してしまうと察するけれど、忘れたとかではなく、どうやらコントロールしやすい状態になっているぞと、情報をキャッチする。キャッチし損ねた土地では、やばいことがもうしばらく続きやすい可能性を秘めていそうだと公務系が働き掛け続けている。
風邪っぽい危ないのの場合は、動物なら全滅させないと、危ないそういう性質を持つ。
ヒトを根絶やしにするわけにはいかない。ここは押さえておきたい。
それに知識を土地の何人かは必ず持っている。免疫を付ける。どうやって?と必ず聞かれる。だから医療従事者が落ちついて、どうやればに答えられるといい。
当然だけどワクチンなんて待ってられっこない。皆が皆、びくびく状態になっている。
今は軽いのだから、騒いで騒いで、に煽られている。仕方なくついて言っている。そこを理解したい。そこを理解しない、医療の重鎮諸氏、現場の諸氏が、自分たちの逼迫を大儀に無茶をやり続けたらそれはそれ、次のステージが待っている。
免疫付けを試行錯誤しながら、罹って重くなるその経過を見慣れてくる。確かに大変そうだ。でも、自分ならその熱だったら耐えたことがかつて何回かあった、というタフな連中が何人も土地土地に現れるのが普通だ。
そう言う連中が、罹ることを恐れなくなるだけでも、土地の雰囲気はがらっと変わってくる。挑みモードが具体的に形とできやすくなる。
医者もただ騒ぎ立てる住民たちに四苦八苦していたのが、落ちついて治療に励めるようになる。
感染地図を地道にこなしていた成果も段々広域に意味ある形で出来上がってくる。
罹って、瀕死の状態を経験はしたけれど、回復して、怖いもの知らずになった若い連中がかなりの数になってくる。ことばの上では、あんな病気ちょろいちょろいが流行語になった土地も出てきた。
それを放っておけないのが医療部門。人によっては重症、死、と簡単にこけてしまう性質の風邪だ。だから医療部門はあくまでも慎重さを失っていない。

でも、今流行っているのは軽い風邪だから、騒いで練習の中身とならないようなことを繰り返している。しかも経済的犠牲を潜在的に膨大量にしつつある。
列島の人々は列島在住ゆえに相当にお一人お一人として賢い。だから、巧みに統制をかわしている、とは予想できる。それに年寄り思いが日々伝わってくるくらい几帳面にマスクをされている。老人の一人としては、そこまでもうしなくてもいいよ、と伝えたくなるくらいだ。だって軽い風邪なんだもん。

しかし空気は必ず、忖度する誰かのために政治的に取り巻き連中が作るものだから、今の風潮・流行とはいえ、得たいの知れない圧に面従腹背の知恵を使いこなしている最中と察する。
もう少し、列島政治とは言え、工夫できないのかねぇ、・・・と巷(ちまた)の外野席は煩そうだ。