連載は続く~SF掌編『皆さんご存知のソウギョを素人流に紹介したい』編


そいつは淡水魚にしては相当にデカい。ついでに、ひとなつこそうな仕草をしてくれる。
動きはゆったりしているから、それらとゆったり感の合成を想像してもらえれば、ついなついた感じで受け止める錯覚をかなり強烈に持たされるだろうな、と諸氏においても思い浮かぶと想像する。
そこらの雑草を丸めて、口元に投げてやる。するとふわーっといった感じで近づいてきて、ゆっくりパクっと大きく口を開いて吸い込む感じだ。
ヒトのことを気にしてそうにないけれど、ヒトからすればなついてくれている錯覚にとらわれる。

これは淡水魚系大物釣りの愛好家諸氏のページ(*1)だったけれど、お隣り中国では昔からの積み重ね知見として、列島でも知る人ぞ知る四大魚について、その組み合わせこその辺りに相当の知見を持っているみたいなことを教えてくれた。
家畜と似て、中国では家魚と見なしているらしい。
四魚とはアオウオ、コクレン、ソウギョ、ハクレンのこと。それぞれが1.5m から 2.0m くらいに成る(寿命は10年間ほどが一般的)。
知見の要点はというと、そのページから引用。

(ここから引用)
①陸草を刈って池に投込んでおく→ソウギョ(稚魚段階でプランクトン食)が食べる。
②その排泄されたふんなどを水底のタニシなどが食べる→アオウオが食べる。
③これらの食べ残しやフンなどで植物プランクトンとそれを食べる動物プランクトンが発生→ハクレン、コクレン(共に植物プランクトンが主)がそれぞれ食べる。
(ここまで引用)

*1:”中国四大家魚ストーリー~その奇跡の経緯を知る~”

列島の成立史は最近のBSNHKでも番組になっていたから多くの諸氏において既知と思うけれど、(広くプレートテクトニクスの作用から)3000万年前にひび割れが入って1000万年以上かけて日本海ができるようにして列島の部分部分が独立した。
その後1000万年余の間に伊豆諸島にあたる海底火山の列島方面への衝突積み重ねとかフォッサマグナの形成とか、数百万年間に渡る沢山のカルデラ式火山の噴火による造山を経て、今日の形になったと地質系専門家知見は考えているみたいだ。
ということで素人見解からすると、生物系は元々大陸と地続きの頃を起源に持っている。
その後のマダガスカル化とかタスマニア化の長年月が独自の生態系を作ったはずで、しかも、渡来の集団性を地質年代的にはごく最近に持っている列島という事情も考慮すれば、食べられる生き物系に関しては外来系と今は煩く細かく指定されがちだけど、素人体験的にはライギョが矢鱈はびこってヘラブナを激減させるとか雑魚を激減させるとかは数年間の身近な経験からはなかったことなど指摘して、棲み分けの長年月を経てきた生き物群という想定を持ち出しておきたい。
ここらは外来魚でも生態棲み分け長年月の枠を出ている魚群かそうでないかなど問題にできそうに思える。その観点を持ち出すことで、政治的な思惑としての排外とかの印象操作とは異なる、もう少し生き物共存性観点のサイエンスに近いところで、棲み分けの無理を強いない移動の範囲とかから、ブラックバスの類の釣り目的で移入した問題点など示せそうにも思える。
四大魚についてなら、ソウギョの大食が問題になるということだ。
植物を根こそぎ食い尽くすと列島では観察されている。
ここらへ素人発想は少しだけ異論を挟(はさ)んでおきたい。
ソウギョは上記のとおり印象としては大変にひとなつこい感じだ。
雑草を大変好んで食べる(偏食なやつもいる(実際に観察上いた)から全てとは言い切れない)。
食事への工夫次第では生育域での植物の根こそぎ食い尽くしを避け得る。
釣り人ページ知見=中国知見を参考にするなら、それなりの食物連鎖系の巧みが働いている。
タニシの子沢山、早さは田んぼの用水を見てみればすぐに気付けること。
ただし、中国では数百万トン単位での漁獲対象になっている魚種だ。(ネット検索から)
2m近い魚体が何千、何万と泳いでいる。
仮に食料用として上手く回すのなら四大魚が要る。そういう知見と受け止めた。
ソウギョの淡泊な白身はそれなりに美味いそうだ。
卵の性質から、利根川のようなゆったり流れる川にしか生育し続けることは難しい。
でも川ではない水域でのレンギョ系の群れがいたりするから、同様の卵ということでは、ソウギョほかが同様に育ちそうだ。
ソウギョにこだわってしまうけれど、観賞用にも、大きな庭を持つどなたか諸氏だったら錦鯉よりも多分その人懐こくつい感じさせる錯覚に魅せられそうだ。
錦鯉系は水槽で沢山入れて飼うと一定の大きさで留まるという性質を利用した、金魚プラスの色彩系の楽しみで飼う楽しみがありそうだ。
でかいのがゆうゆうと泳いでいるのと餌に寄ってくるその動きを楽しむならソウギョはかなりいい感じな気がする。
餌は雑草で清む。(2mの魚体だと沢山食うので足りなくならないようにすることが大変かもしれない)
グローバルには各地の大河川なりに大型の食用魚種が棲んでいる。
餌次第では、かなり安価に食の不足分を美味しく補(おぎな)えるとも思える。