連載は続く~SF掌編『U-20女子サッカー二試合テレビ観戦』編


 今時の女子サッカーを知る機会を得た。
 とにかく試合展開のこまやかなパスワーク、スピードについての先入観を翻される内容だった。
 ただ対戦相手のスペインチームが先行して3点を取ってしまったため、日本チームの冴えが際立ち始めた後半に、スペインチームの持っている更なる攻め技を見ることができなかった(前半の3得点は、日本チームの固さかもしれないのだけど、オフサイドトラップとか揺さぶることで出足をいくらでもくじいておけるようなタイプの安易な得点提供を二本決められたもので、スペインチームの実力を見られるタイプではなかった。形としてはそれで仕掛けるかも、の辺りを知ることはできるといった感じのもの)。
 後半の攻めで一得点しかできなかった日本チームについては、多分、疲労の要素を指摘できそうだ。
 連戦連戦タイプのU-20ということで最後まで残るどのチームの選手も疲労をためてしまいそうだ。
 しかも後半に仕掛けた形の日本チームにとっては、詰めのところの集中にどうしたって影響してしまいそうだ。
 ただし素人老人ゆえ、勝手に多少辛口批評しておきたい。
 たとえば、11番の選手は他の多くの若手選手同様に足技は相当に巧みだ。
 連係プレーも同様に達者と見た。
 ところが、シュートの精度がいまいちなのだった。
 シュートの勢いの強弱はともかく、しっかりコースを狙えればこの選手、スペインチームとの試合でも数点は取れるパスとか流れの中にいた。
 素質に恵まれた若い選手諸氏は練習量とその質によって更に育つはずだから、次に見ることが出来る試合のころは更に巧みなシュートをはなっていそうだ。
 同じくフォワードポジションの9番の選手。この選手はある程度、技を精度よくこなせているタイプだ。
 周囲について瞬時によく見えているタイプのようで良いパスも出せる選手だから、連係からのほかのだれかの得点を提供できる。体をつかって、スクリーン応用的な技もこなせる。ただ、時に、パス受けの際、粗さが出るようで、そこらは修正しておいてもらいたい気がした。
 11番の選手も足腰を鍛えて踏ん張り力が上達すれば、更に、技が多彩になりうる。
 9,11番両選手とも、もう少しだけ走力アップを可能にすれば、ボールさばき、パス精度が同様に上手な他の選手たちからのパスとか仕掛けに応じる対相手選手たちへの効果が結果得点となりやすくなりそうだ。
 苦言としては、テレビ解説の加藤氏がヨイショしていた6番の選手は、ブラジルチームとスペインチームの試合に限っては、疲労が蓄積していたからだと思うが、パス精度や流れの中での動きや、トラップ精度などチームプレーの中でかなり見劣りする質の状態だった。そこらの体調を見誤って試合に使ってしまう監督の判断はかなり問題ではないか、と強く思えた。
 ここらは、結果勝敗は出てしまうけれど、上手な選手たちの試合が、サッカーの技を巧みにして仕掛け合うことの密度に集中できた場合、それは見ている方にとっても、やっている選手たちにとっての後味形成にとっても、良い方に作用しないはずがない、という素人老人流の考え方が下敷きになっている。
 興行の側の思惑だって多分色々な流儀が渦巻いているはずで、必ずしも大騒ぎに誘ってそれでもうかるはずだというワンパタンな発想ばかりではないと察する。
 プロフェッショナルなスポーツの担い手諸氏にとって、振り返った時に、勝ち負けで勝者というだけの残像は寂しさのみ残す(”ファン”はストーカータイプか、次々と入れ替わる勝者を追いかけまわしがちだ。勝ち誇れる幻の代理人扱いだ)。でも良い試合をして好敵手を得たとかの経験とか体験の心身記憶は、いつまでも人の支えとしやすくする。
 でも自らもそれらを一遍くらいは楽しんできたスポーツのファンだったりすれば、ゲーム(試合)を楽しむ感じで接している。勝ち負けに多少はこだわるだろうけれど、裏でばくちの材料にしているのでない限り、勝敗は二の次で十分に楽しめてしまうものだ。
 たとえば、日本チームという具合に現段階でのベストに近い布陣を普段も可能にできるならば、是非、スペインチームとかブラジルチームを列島サッカー環境に呼んで、興行してもらいたい。
 数試合こなすだけで若い日本チームは更に育つ。相手チームも多分、日本チームの凄さから相当を学んでいくと想像する。それくらい現U-20チームは凄いと素人老人は見た。
 後は監督とかスタッフが選手諸氏の体調をよーく見て、いかにベストに近いチーム編成での魅せる試合に持っていけるかだ。


 当方が二十年ほど前に見てきた地方都市の街中を流れる小河川はそれなりに整備され魚たち住める程度に清らかな流れだった(綺麗すぎてもよくないわけだ)。
 最近の関東平野台地近辺を流れる小河川は以前よりは綺麗になりかかっていて、オイカワの群れも親世代と子世代が群れを成して泳ぐ姿を度々見ることが出来るようになっている。
 群れて、子世代は聞きたくもない親世代のダジャレまで聞かされている感じだ。

 そこで川柳もどき

   ここはどこ?なんてぇえの おい!カワ、だ えらっそぉおに ダジャレじゃん