連載は続く~ SF 掌編『女子サッカー代表試合と男子チームの件』編


 前回を引き継ぐ形になるけれど、列島の氷河期中体験としての海進は一応顕著だったので、いろいろ証拠からしての実際の様を想像しやすくなっている。
 関東平野の事例がよく紹介される。
 すると、都心からとして自動車のたぐいでの見学なら日帰りで十分、じっくり可能な地点まで海岸線が進入したことがわかっている。
 自転車だと日帰りとかは健脚系な諸氏にお任せしてのような事態になりうる。
 それくらい遠くまで海岸線が今のより陸地側へ奥まった。
 国道4号線が古河の方へ抜ける利根川を渡る橋のある栗橋辺りまで進入していたわけだ。
 海岸線の後退の方なら、もっと長年月にわたる出来事だけど激しい。上下動で100mもの落差を生む。
 関東平野は標高100何メートルの広い高台に変わってしまう。
 そして(素人老人の想像だから)多分だけど、自然の事情としては温暖期の中の次のステージへ向けての最後っぺで温暖化させて氷河を溶かせて氷期の趨勢へと行きたがっている。そこを勘違いした環境発想が、脱炭素で温暖化の趨勢を人為から数値をあやつって制御しにかかっているから、気象かく乱要因のいくばくかは提供してそうだ。
 氷期趨勢では落ち着いた気象なのかどうかを前回ふれた。むしろ、趨勢の気温低下傾向と自然からするかく乱の過程と見るなら、ひょっとして素人的には、年間を通しての激しさもごいっしょなのかも、と空想してみたわけだった。
 否、もっと激しい日々の方が多くて、時々平穏というあり方かも、だけど、そこらは層研究の痕跡精査から、年間中の気象の変化具合などはたどれるのでは、ということで、前回ふれてみた。
 たとえば日帰りで、その到達した海岸線の辺りまでの行程を体験してみるだけで、それなりの実感を得られる。その到達点から今では、今の海岸線の落ち着き地点を得ていて、氷期趨勢になれば、さらに、かく乱としての上下動なり前進後退を伴いながらも、間違いなく後退して、標高にして100mは下がる。
 その低下しきった海面の時期が、やがて、急激な温暖化を迎えて、激しい洪水を伴うような温暖で落ち着いた今日この頃のような時期に至る。つまりその行きついた先が次のステージに移行するに当たっての時期では、100m高台から、数十メートル級の洪水、津波を眺めて、早く落ち着いてもらいたいものだという先祖たち(今日の人々からすればはるかな後輩たち)がそこに暮らしていたりする。その後は1000年くらいの揺り戻しの時期を経たりして1年間で20mくらいの海進のペースが続き(『縄文海進』p19下段)、0mのような落ち着いた長期間を得る。
 激しい気象に耐える地表面規模での住生活環境構築の準備が可能になり、寒さ(ただ体を温めるだけでは足りなくて食料や各種職業の現場での活動のしやすさなどの確保策も欠かせない)への準備を怠らずに迎えることができれば、ヒトの体験は、学びをも得ることに通じる。氷河期の一周期について詳細を記録に残して、記憶にして、そこから多くを学べて、次のサイクルの備えに使える。
 今時のような脱炭素どうこう、ですったもんだしないで済ませられる。
 ひょっとしたら同時期に居合わせた生き物たちすべてに(冷静に)慈しみを実感できるような体験となるかもしれない(素人老人空想)。進化論についての間違っていたり勘違いを含む定義はより具体的に修正しやすくなる。


 女子サッカーというジャンル(女も男も同一チームを構成してのようには当面なりそうにないから)はしばらく続きそうなので、女子サッカーということばは特別な感じでなしに、使ってしまう。
 NHKのBSでも今日、なんと放送してくれていたので、見て、U20の試合の見せる・魅せる両チームのプレーにわくわくできた老人ファンの観点から勝手な感想を、敢えて持ち出す。
 サッカー関係者(多分ジャーナリスト系も含まれてしまう)の内輪では、なかなか言いずらい世の中の趨勢がありやなしやと思えるので、この際、素人こそが言い放とう、と思えたわけです。
 結論的には、現(旧来からの選手も含め)代表選手の大方は、U20世代の選手とそうとっかえくらいの入れ替えが成ってこそ、両チームとしての試合の面白さが引き出せるはずだ、としてみたい。
 いかにも女子なサッカーの時期は過ぎ去っていることはU20の試合でもわかる。
 男たちも鍛え続けているので、追いかけっこの形で、女子が結局落ち着けない場合もあるかもしれないが、人物によっては、男も女もないサッカーをこなしてしまうことだってありうると想像している。
 今回の対イングランドチームとの試合では、チームプレー慣れしていない様が弱点をもろさらけ出していた面で、処理されかねないけれど、イングランドチームの大味な攻め、ゴール近くからの攻めの連携にも関わらずの結果だったということから、他の多くを振り返れると素人老人ファンは指摘してみたい。
 そこらを如実に触れられるシーンを幸運にも、采配まずいんじゃないのの監督の、後半終了ぎりぎりの采配から見ることができた。
 23番の選手がボールをイングランドチーム選手からの圧をしのぎながらキープしてよりゴール方(かた)へ接近しつつ、周りも見ていて、適切な出し手、相手を見出せず、苦しいけれどシュートを放つ。その弾かれたボールが14番の選手へと届き、23番の選手のようなボール操作をまったくしないで、遠くからの(キーパーにとって)ストライクタイプのシュートを放つ。ボールさばきは旧代表選手たちの中では際立つ14番にして、こうだったのだけど、U20で活躍した選手の一人に過ぎない23番の選手は一人でできることをこなし、更に連携相手の動作しだいではさらなる高度なプレーを呼び込む準備すらできてしまう。その極端な差を、口にはしていなかったけれど、テレビでの解説氏もすごーく遠慮がちな表現を使って場面解説していらっしゃった程度には気づかれている(でも内輪人脈の政治が働いて、明瞭な形で改良の線での発信は不可能なのでは)。
 そうは言ってもだ、U20の試合を見る限り、体が一回り大きいのに動きが俊敏で圧のかけ方も半端じゃないヨーロッパ系のチームの選手たち相手に、技ではひょっとしたら一歩先んじていたくらいの日本チームU20選手たちが、怒りの疲れを誘われるくらい押しまくられるようなちらほら場面を含ませるような展開になってしまうのは、旧来の代表選手たちのタフさを育てた経験が足りなすぎるからだろう、という重要な要素からして、入れ替えるにしても、先行してきた20代前半から後半更にベテランの日本チーム代表選手たちが、技の差、ゲーム勘発揮力の差に素直に気づいてもらって、応援する意味での先輩風を吹かせて、短期に育て上げて、経験不足をたとえば圧の面で自らの体験からしての実際を演じてそこをかわす技などを発見する能力は数段備えているU20世代選手が多いのだから、その育ち任せで、後は、対戦相手チームのデータ収集を頑張ってもらって、いらない不可抗力をできるだけ減らして、生々しい試合ならではの不可抗力の中、実力発揮となるわけだけど自らの力量の応用によってどう際どい状況を打開してチームプレーの流れにとりこんでしまうかが試されるだけ程度の負担にもっていけるかどうか。特に、(スピードや体力やを含む)圧という面では守備部門の選手たちの育成が現旧来の代表たちにも欠かせないくらい、日本チームの弱点だ(それくらい現各国代表チーム選手は動きも技も卓越してきている)。
 もう一つくらい視点を提供できる。
 相手のボールを奪えるかどうか。
 ここらは技のある選手ほど有利だ。技をこなせることは体の動きとの対話だから、相手の対話も読める。ただし、どこまで読めるかは人によってかなり違ってしまう。だから実際に相手選手のボールをいかに取れるかどうかの様から判断可能だ。
 10番の選手も旧来からの代表選手だけど14番の選手以上に足技もこなす。だから、と言ってみたいけれどこの試合では唯一、まともに相手選手からボールを奪っていた。体力が相当にことなるのに、体を巧みに使って入り込み、タイミングを外さず奪う。これが何度かに一度のチャレンジで、何本か取っていた。
 だけど、U20世代の技とゲーム勘(連係プレーに直結する)のことは改めて指摘しておきたい。ボールを奪うシーンをU20の試合では何度も見ることができている。
 23番の選手はU20世代の平均像と見てもらえるなら、その(今日の試合の)ゴール前での当たり前のように軽々とこなす正確なトラップもすべての基礎条件なのだから、当然こなせて当たり前だけど、それを旧来の代表チームの選手たちの多くが試合の生々しさの中ではこなせそうにない。
 U20選手たちの制約は以前ふれている。駆けっこがいまいちだった。当たり強さも多分いまいちだった。そこらは、試合となると余分な労力行使に通じやすい。普段から早く走れてどうってことない、タイプはそれで特に消耗することはあり得ない。でも、無理するなら疲れやすくする。相手のスピード、体圧にカッときてアドレナリン噴出で体力消耗を自らこなしてしまうようなことにも通じやすい。(酷い相手チームからの反則技には審判にアピールできる意味でも)顔や身体表現で怒ったふりをして、体・頭は冷静がなによりも、体力を温存する。その意味でも、足腰の鍛錬はそれなりにゲームにも活きてくる。
 ゴール近辺での守備系のしぶとさについては、技が下手にもかかわらずゲームを盛り上げてしまう日本男子チーム中盤・後衛の選手たちのプレーからも多くを未だ学べそうだ。確実さをしっかり身に着けている。
 男子チームはそろそろの時期なだけに、つい余計なこともふれたい。
 どのポジションもすご技選手揃いの各国チームとの試合だから、当然、(点となる)ゴールするまでのプレー、技が、今のチームではどういう形でこなしてくれるのか、生々しい中での突然沸いた発明的連係プレーということだって技量的には期待できないことではないので、そこらを楽しみにできるくらい、と指摘してみたい気がする。

 

  川柳もどき

   ルイスの相棒(ハサウェイ)は医者仲間の誕生バーティに呼ばれたけれど、苦い顔
   なんせ医者仲間のジョークって・・・・胆石のことばっか、らしい
   列島育ちのだれかは、職場仲間の雑談中でさえ、その痛さを言う体験談の主相手に、思わず吹いてしまう
   ハサウェイは生真面目なやつだ
   シェリーをやつ、とは言うまい