連載は続く~ SF 掌編『いつのまにか年末に近づきつつ蚊』編


 ゲラダヒヒの事例をNHKBSの或る番組にて知って、つい先日その再放送からここに書き込みたい気にさせた。
 ゲラダヒヒ系は250万年前頃から180万年前頃にかけて地表面にかなりはびこった。
 なぜだか詳細は今のところ不明のようだが、180万年前頃になって、エチオピアの高地に住みついた種族だけが残った。習性は保っている。
 現生人類系もその後の出来事として、数十万年間程度ははびこる方向で行き続けてきている。
 色々言われていることとしては、他の肉食系の動物たちに比べて弱い現生人類系は集団化の知恵を逞しく工夫できて、やがてはびこる側に転じて、(現生人類という)同属の中での激しい殺戮混みでの争いを演じるようになっている。脅しのような人数的には限定的でも極端な行いをしでかしたその昔に対して19、20世紀には極端な人数を短期間に殺戮し合うようなことをしでかしたりした。
 ヒトはバカじゃないので戦闘員を無駄死にさせない戦闘手法を開拓してしまっているけれど、戦争現場ゆえに巻き込むタイプの死傷についてはそこまで配慮されていないのが現状だ。
 素人老人の年代になってというわけではないのだけど、相手の攻撃性を封じるためなら粘着質の泡兵器(窒息しないタイプ)で充分だろうくらいのことをもう少し前に他でふれたことがある。超滑り易いなにかを撒くという手法にもふれた。
 笑いの苦しさは並大抵ではない。これは残酷兵器にも通じかねないが、限定的に使うという意味でなら、笑わずにはおれない話を1万人による相手側へ聞こえるように大合唱するという手もありうる。
 とりあえずヒトよりはゲラダヒヒの方が遥かに賢そうだ。賢そうだけど、知的操作的に道具を開発し続けて使いこなすこともこなしてしまうようなことは苦手のようだ。(金融とかも育てていない)

 ゲラダヒヒが70万年間とするとヒトはそれを軽く追い越せる程度の勢いなのか、自然を読み違えて道具手法に軋みを生じさせてしまうのか。

 安定な気象条件の時もあるけれど、その他はこれまでの経験からすれば異常の状態が通常状態になりやすくなるのかどうか。そこらがそうなると判ったときに、対応可能な準備のどれほどができているかがきっと問われてしまう。
 ヒトは充分にはびこってしまった。生半可な人数が地表面を覆っているわけではない。
 膨大量の一人一人が個々性として、欲張ったとは決していえない程度の尊厳を認め合えるお互い様を期待しあっている。
 個性論は、そこらを遡及し損ねさせる(方向性としては、なんでもあり論に近づけさせる)。個々性の論は尊厳と関わらせている。
 色々を包摂しえた中世の論に素人が感じるのは、個々性への遡及を多分欠いてそうなことだ。大雑把に個々を受け入れることでの包摂性。そこを時間を経て学べて、個々の微妙な尊厳を認め合える工夫へと試行できそうだ。
 たとえば性(煩いやつらを一次的に静める・鎮めるために交わすとか、目的的に交わすとか)を介する関係は尊厳をその場限りで蹂躙しあえる関係を認め合える(秘か性も含めた)密なお互いを受け入れている。そういう見方が可能になることで、微妙な尊厳をヒトの集団の営みに置いて、認め合うことの内実を提供できるようにする。つまり、片方が認めなければそれは暴力沙汰の出来事の一種と(ヒトの集団の営み上)ごく普通に見なされてしまう。


 これもNHKBSの番組で得た話だけど、広島県尾道市は御調(みつぎ)町の菅野(すがの)にて番組が放送された1977年(昭和62年)頃は、特殊な用途で干し柿を膨大量(数十万個)作っていた。

  * 御調町は北東方向の備後国府跡にごく近いし、有名な神社もごく近く

 ところがその用途が列島各地の時代の趨勢として廃れ、それゆえに売り上げ激減で、とうとうその土地での干し柿生産も中止状態になってしまった。
 今時のUSだと、市場原理主義的に、廃れた市場を相手にする会社も辞めにして、新規に事業を起こしてそこの雇用が失業を吸い上げる式で事態は進むと想像できる。
 列島育ち諸氏は、摩擦的事象にも想像が行くと見えて、会社そのものをつぶすことなく業態を変えるとか、同じ干し柿でも食用に切り替えるような大転換をこなして、事業を一新させて出お直しに挑めてしまう。
 今時はネット通販も工夫次第だから、食用でしかも農薬を撒き散らしたタイプではない干し柿となれば、即大人気、ということで、出足は好調のようだ。
 昔の食用でない頃、小学生も学校から変えるとすぐにお手伝い。
 休みの日なら三千個の皮を剥(む)いて、学校がある日なら1000個の皮を剥いているそうな。(実に工夫された道具で皮を剥いている子供の姿が映像で紹介された。慣れたので苦にならないとも)
 ネット通販で世界にも売って大繁盛と、なると、数万とかの数では済まない。数億とかの数値が必要になりそうだ。(干し柿はそれくらい美味い)
 となると農薬とか量産のための隠れ技をつい使いたくなりかねないのでは、など素人老人ゆえつい心配したくなる。

 

  川柳もどき

   カラスはこちらが手を振るとこちらに振り向く
   オイカワはヨコになって側線の様を見せびらかす
   ヒトが他のヒトをジッと見つめると異常な事態発生と助けを呼ぶことになりかねないが、許しあった間柄に限ってはその先もホカホカな関係が熟す場合も時々ありうる
   ここらはごく最近放送のマードックドラマ1シーンかDr.Houseの1シーンの影響かも