連載は続く~ SF掌編『水路を発達させた町は昔も今も楽しませてくれそう』編


 先日参照して取り上げた『文字をよむ』(九大出版 '02)に、テレビ放送事件物ドラマ(鑑賞)づいている素人老人に更に時間を費やさせる気かと、誘ってきそうな一節も含まれていた。
 15 土器に書く(坂上康俊著)
 土器片が福岡県粕屋郡粕屋町の江辻遺跡にて見つかった。
 須恵器の破片だ。
 須恵器ということと、発掘されている地層の層位関係から大雑把な時代区分が可能になる。
 発掘現場は建物跡だった。しかし土器片との関係は現時点で不確かなままだ。
 そこで著者の推察は、須恵器の形から、一応8世紀という幅を持った表現を取らせた。
 その土器片には文字が彫られていた。
 文字だからとそこで著者が推理に使っている今時の諸氏にとってお馴染みの文字をその通りに引き合いに出すことを引用者である素人老人はごく慎重に控える。
 著者はそう読めると決めてかかった4文字に当てた漢字をそのまま幾通りか読み分けて、それぞれについて推論する。
 そこらは学者氏である分、素人の軽く思い込めてしまうあたりを巧みに裏切ってくれる読み方をしてくれる。捜査過程で、視聴者の思い込みが簡単に外れていく過程によく似てしまう。ナカナカ・・・(ちょっとばかり感心のりだ)。郡に似た彫りが為されているので、地名だろうという前提は揺るがないで推論されていく。
 だれもがそれぞれの思い込みにおいてその似た感じなら・・でそれぞれにおいての近似感から推論して、他人に軽々しくしゃべってしまって後に引きにくくなったりの経験は濃くお持ちの諸氏がそれなりに大勢いらっしゃることだろう。
 その程度は学者氏には、まったく意に介されないくらい、簡単に一蹴されてしまう。
 ついでに、各地に似た発音とか文字面の土地が記録に残っている辺りにも学者氏はオタク以上ということで、熟知されている。そういう相対的視野も働かせつつの推論だ。
 また古代史ではお馴染みの評と郡の端境とか事態の推移など動的な把握も並行させている。
 8世紀ならそこらはクリアできてもいるわけだ。
 仮に7世紀の出土で間違いなし、ということでなら、更に興味を誘うような推論が可能になる程度のことはしっかり踏まえられている。
 読み方を色々工夫して推論してみたけれど、どうやら、最初の読みから入った方がいいかもくらいのところで、この文章では落ち着かせておられる。
 もう一つ、書き順についても学者氏試論ということで、しっかりふれられている。
 たとえば、そう見える字形の一つとして木があるけれど、これが木の略した書き方も含めて、そういう書き順になっていない。彫りだからちゃんと証拠を目の前にできている。
 印刷からもそこらはしっかり押さえておける。
 そこまで著者である坂上氏は読者を誘い込んでくれているのだけど、素人老人はシナリオの書き手に時には不満を持つようにしてテレビドラマの捜査過程を追っているくせをここでもつい発揮してしまって、紙幅が残されているなら、著者も多分ふれたろうけれど、たまたまここでは触れられていないのをいいことに、素人流を発揮したくさせた。
 そう諸氏においても気づかれたことと察するけれど、漢字は組み合わせ文字の性質を持つ。それゆえ、ここに4文字と提示されていたとしても、そしてそれが等間隔であったとしても一応疑ってかかることは要る。
 ネット上にこの文字入り土器片が写真ととも参照しやすくできているか、ちょっとだけ確かめた限りでは、まったく参照できなかった。だから今のところ、引用者からすると、この本を参照してもらうしかなさそうだ、としか言えないのだけど、ちょっと見、上下の二文字のようなまとまり方をしてそうにも見える。
 そこで素人老人は、強引過ぎることは承知で、土器片に彫りこんだだれかは、その当時において、色々漢字字形については目にする機会を持ってきたけれど、意味内容を介した漢字使いというタイプではなかったのではないか、という大前提の下、”袈裟(けさ)”ってどう描(書)いたっけ・・・?ということで、こうかな、と彫りこんでみたのが、この文字群だったのではないか、とつい推理したくなってしまった。
 ないし、袈裟をそこに彫る都合が生じたけれど、組み合わせで成る漢字性質を染み込ませていた彫りの主氏は、思い出せる範囲で当て字を創作してしまって、結果そういうことになってしまった、という素人なのでやっとのこと2通りを持ち出すことができた次第。


 今時の極度に電子制御された自動車、四輪車だと、勝手が違ってしまいそうだけど、少し前までの自動車なら、たった一人の整備士が、部品から組み立てて、かなりの高速度での安全・安定も含め達成できた状態での完成車を作ってしまえそうだ。
 飛行機もUSなどでは自作派がおられるようで、そうはいっても巨大ジェット機をそうすることはできそうにない(時間的な問題に限らず)。
 ロケットとなれば尚更、と素人老人は空想した。
 以下参照した2つの資料は
   ①『宇宙飛行による骨・筋への影響と宇宙飛行士の運動プログラム』(pdf、大島・水野・川島著)
   ②『宇宙飛行士の健康を管理する「宇宙医学」とは?』(立花正一著)
 大体ロケットでとなれば、行先は宇宙圏だ。
 ネット資料を参照した限りでは、太陽活動活発時に、一日辺りの放射線を浴びる量が1ミリシーベルト
 宇宙の微小重力環境がヒトの体にもたらす問題群。
 骨からカルシウムが溶出してしまう。
 以下①から箇条書き引用
 ISSでのデータから
  1 カ月間に腰椎で平均 0.9 %,大腿骨頸部で 1.4 %骨密度は減少し,骨量減少速度は約 10 倍
  カルシウムについて日本人の場合
   600㎎/日を摂取・排泄している
   飛行中は250㎎/日のマイナス
   この数値は毎日2時間の軌道上での運動では防げない
  一般に不活動による筋萎縮は最初の 1 週間で最も著し
  8 日間のスペースシャトルの飛行前後で,MRI(磁気共鳴映像法)による下肢筋横断面積。筋横断面積の減少率は,飛行前と比較して
   腰部背筋10.3 %
   ハムストリング 8.3 %
   下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)6.0 %
   大腿四頭筋 6.0%
  1 ~ 2 週間の宇宙飛行後の筋力低下率は,飛行前と比較すると
   腰部背屈筋 23 %
   膝関節伸展筋 12 %
   腰部前屈筋(腹筋) 10%
   足関節背屈筋 8%
   膝関節屈筋 6%
  筋持久力を飛行前と比較すると,
   大腿四頭筋 15 %低下
   ハムストリング 12 %低下
  帰還後 1 ~ 2 週で筋力は回復傾向を示す
  背筋の回復には数週を要する
 最近はニュースでお馴染みの通り1カ月以上宇宙滞在されているけれど、その昔1969年の頃だと7/16に出発して、7/24に戻る一週間ちょっとの旅だったようだ。とはいえかなり窮屈な乗り物でのことだから楽しかったとかは聞かないのがエチケットのように想像する。
 重力一つとっても、地球上生活という特殊から"事件"捜査できる発想の冴えは事件ドラマ同様のようだ。

 

  川柳もどき

   足を使え、と言われたとしても・・でまたもテレビから
   体格は・・PCオタクもどきなのかも・・・タップん、タップん・・・・・・
   カヌーで江戸巡りは、本当のことだった
   関東平野は荒川の下流と言っておいてさしつかえない隅田川をちょっとさかのぼって
   お茶の水駅近く、医大並びの裾辺りをめぐって
   日本橋の方まで抜けられるめぐり方次第では多摩川、羽田辺りも可能か
   ということはちょっとばかり脇に逸れて
   府中とかも行けそうだ
    そこから地上に出れば北へ武蔵路を一直線というわけだ(今時のカヌーは超軽そう、だから担いでかしょって)