連載は続く~ SF掌編『列島版女子サッカー興行続き』編


 その成功をケースごとの個々由来と見なす式の今時の巨富系依存の営みについては、だれもが承知のようにたまたまそのだれかが成功させたわけではありえない、ので、巨額資金を追いやすいなにかしらの都合が背景として働いてそうだ、程度のことは素人老人でも少々指摘してみたくする。
 そこらを便利にできている誰かたちにとっては重宝としても、地表面規模での集団の営みにおいては、不確実要素を含ませすぎと見なせそうだ。と言って、説明は端折ってしまうのは、今回の目的の方に近づけるため。

 一応国民国家試行錯誤の近現代版のその先まで試行錯誤は要ると考える素人老人なので、首相になれば、莫大な支払い手段の使い道についてなんらか関与するような立場を経験できるとかを誘いに、官僚養成校だけではないやる気のある若者諸氏への世界のどこかで首相をやってやるぞとかの類としての動機付けを目論んでみたいものですね、とか素人老人は空想中。

 今時の巨富はとてつもない支払い手段額を自らの意思で動かせそうだ。そういう自分のものにしてどうこうさせるやり方は破綻してるでしょ?という問いかけを答えの一面のように用いて、なぜ一国の首相とかの類以下へと誘うかの辺りをご想像願いたい(国と言わず‟会社‟とかでもいいわけだ)。

 さていきなり女子サッカー
 サッカーをやる気になっている若者たちをどうサッカー興行に誘い、熱く関わってもらえるのか・・・。多分、関係者諸氏は一面悩まれたとも素人ゆえ想像してしまうが、現状はさみしい限りだ、というのが素人老人の感想。
 では代案は?もちろん持っている。
 メインのサッカー興行を担うチームは限定的数で全国の若者がサッカーに関心を持ってくれるように全国を舞台に活躍する。
 そして勝敗は味付け上、不可欠とくるから、勝ちづ付けたり、もみくちゃなシーズンとなってどこが最終的に勝者となるのかまったくわからないというシーズンも起こりうる。
 そうだとしても、勝ち負けはいつでもついてくるし、順位表でのトップはいつでも1チームのみだ。2位以下はその他大勢となるわけだ。
 ただし、熱心な若者たちは、勝敗以上に技術的な試行錯誤とその成果とかとして受け止めて学ぶ視線で追っているものだ(トップ争いは二次的以下ということ)。
 興行を営む側の視線としては、トップが目立つのは他の負けるチームの負けっぷり次第ということになる。
 また話上、勝ち負けにこだわらせたノリに誘い過ぎていない状態を前提としておきたい。
 となるとドラマ、映画と同じだ。相当な脇たちがしっかり固めてスターは輝く。
 そこを離れてスターは、しばらくは輝くが、やがて嘘のように3等星にすらとどまってはいられなくなる。闇夜でも見つけるのが難しくなってしまう。
 勝ち役を得たシーズンもあれば、どう頑張っても負けが続いてしまうシーズンもありだ。
 だたし、メインのサッカー興行を担うチーム群の質量を保持できているチームのみがそのシーズンを構成できる。つまりチームの入れ替えは起こりうる。
 けれども、ある年度のシーズンを担った各チームは、勝ち負けに関わらず、お互いを目立たせることに、際立たせることに関与し合った、ということで、全チーム興行を合わせた総興行収入からのチーム配分については、どのチームも同じ額が提供される。何人雇うかは各チーム任せだ。
 とはいえ、それだけだと、ヒトのこと、ちょっとばかり刺激が足りない、ということで、トップチームに、というのではなくて、WEリーグにWEリーグカップがあるように、別の短期の興行を組んで、そこでの順位に応じて特別仕立てのボーナスが各チームに提供される。こちはは露骨に格差を設けている。
 この給料システムのポイントは、勝ち負けで必死こくタイプの選手キャラが育つよりは、チームスタッフや選手各人が、ゲームごとに試合展開についてなんらか試行錯誤とか挑戦の類を持ち込んで、その有効性とか興行的効果とか、ゲーム自体の質と関わらせた成果の度合いとかを次の試行錯誤へと繋ぎ続けられたりを持ち込みやすくする。
 最終的には、各チームのだれが日本代表チームに選ばれても、それなりの試行錯誤を経た技と体力と頭脳を持って挑める状態になっている、という本番の本番に向けたいつもの試合興行のような内実を持たせることを可能にしてしまう。
 (いつでも予定何万人入場のような)バブル興行タイプではないけれど、一定以上の観客は誘えて、各チームがそれなりの質量で応じる興行をいつものことにできる。
 そして世界の舞台では、バブルではないけれど、何十万人もが観客として押し寄せ、放送でも何億人もが見るような興行になっている。

 メインの各チームの現役はもちろん質量ともに文句なしのゲームをやってのける。
 そして既に1年後か数年後にはそれら現役選手と入れ替わるだけの質量を育みつつある若者たちが控えており、更に、その下の年代の若者たちも生々しい技を目にしつついつかは自分も・・ということで現役のメインのサッカー興行部門入りを目指している。
 多分、代表チームの構成での年度によっての質量はいつでも充分を支え続けそうだ。

 固定観念でがんじがらめの男子のことはもうどうでもいい。
 女子サッカーは、そういう可能性たっぷりだ。