連載は続く~ SF掌編『一週間たっても暫定的全貌つかめず・・』編


 関係要素間でこの市場にはうま味あり、と競争関係辞さじの志向に傾きがちにしつつある一時期においての情勢を勢い付かせ勝ちにしている時、と単発に区切って、歴史的経験とかの膨大な人智を吹き飛ばして、これぞ問題群の一つのように提示する手法を取られるような場合、経済の営みについての工夫の数々、経験の数々について、未だ無知に近い年代たちは、そういったニュースに面食らってしまいそうだ。
 仕事と日々の生活のやりくりに忙しくて、せいぜい昔取った杵柄程度にしかそこらの人智について振り返る時間を持てない沢山の諸氏においても、似た感じで受け取らせがちにさせかねない。
 経済の趨勢についての全体量から推し量れる勢いに関する観測からのものではなく、ただ物価の上げ下げの当面の現象から安直に判断して、それらが景気(景気の沸騰状態とかインフレを表現するのに都合のいい形容のたぐい)に響くからとかで相場相手に収入依存の大人(おとな)諸氏が、ことばの力を応用したがる。すると、その筋の巨富の圧力が濃厚な土地柄では政府筋、同等の有力筋すらもが同調して動いたりが起こり、ここ数年間に生じた景気対策政府支出の類がもたらした余剰以上の余剰をコントロールしてきていて、それが特に悪戯してきているわけでもないのに、今になって、あたかもその特別の相対的には少ないし、予算規模としては巨額の支出が原因であるかのようなことも含めて、相場さえ動かせてそれでもって利ザヤ稼ぎできて余禄としての高収入につなげられればの思惑で動く相場と関わる大人の諸氏においては、とにかく発信力を駆使してためにすることばさえ表ざたにできればを奮闘し続けて、景気を落とし込むような施策(インフレのために金利を上げろ、デフレだから金利を下げろとか、わけのわからないことを、別の脈絡からは鮮明な動機をもって上下動をもてあそばせて金融世界ではウハウハだけど、巷の景気は遊ばれてしまう)へ誘い、売れていたのが、ちょっと売れなくなったりで、物価に分野によっては影響して、下げることの表示に使いやすくしたり、他の表には出てきていないだけで上げている品々も当然、そういう内実だからありえて、金利の上下動という変化自体が世の中に影響しての事態を見えにくくすることばだけが氾濫しやすくしてしまう。端的には、住宅のような品々(高額を長期間定期的に返し続ける)は、(予定の中で)安定した返済が可能な方が良いに決まっているだろうに、購入時点でのどういった返済方法を選んだか、その主の責任に仕向けるような話にもしやすくしている。
 更に込み入らせるのは、そういった相場相手の仕事で高額な収入を期待する現場勤めの諸氏においてすら、趨勢にはかなわないからということで、その多くは、流されつつ、冷静にないし、ちょっと距離を置きつつで貴重な事態説明のことばを工夫して発信もしていらっしゃる諸氏の方が大勢とは思えるけれど、それでも、仕事だからということで、相場を動かせるならの言葉発信も抜け目なくたっぷりのはずで、世の中的には迷惑の方も多そうだ。


 そういう物騒な19,20世紀をひきずったままの21世紀には人新生とかΘ世代とかいろいろ使いやすいことばも氾濫させている一方で、サッカー新世代を次から次へと育て上げつつあることも事実のような試合をなんと今年1月8日にそのごく一端だけだけど、見ることができた。

 舞台は西が丘の国立のサッカー場。ajinomoto のロゴ入りだ。
 秩父の山並みがくっきり見通せる寒くて好天にめぐまれ、選手たちもちらっと寒そうなのか体を動かしつつの始まり方をした。
 一方にスペインからやってきた監督がフィールドに立って、スローインの際は、選手へそっちだよ投げるのと腕を振りかざすくらい元気だし、一方には、(サッカープレーの可能性においてできることできないことを頭の方で理解してしまうタイプとして)優等生たちがなんとかワイルドな気持ちでの勢いをも発揮してくれるように苦心されているらしいことをことばにしているベテラン監督が、静かにギラギラ睨(にら)みを利かせている。
 試合の方は、前半、後半である程度元気度合いに変化を生じていて、ベテラン勢で固めた神戸チームの粘り勝ちのような展開となっていた。(つまり体力勝負というよりも、気持ちの方で、我慢比べの際、若さゆえはずかしくてそこまでしつこくできないよ、の辺りへ人生のベテランでもある選手たちはちっとも気にすることなくそのちょっと先までしつこくボールにこだわれた)
 前半、素人老人的には、その前半を見ることができただけで、試合終了した時点での感想だけど、見に来た甲斐あり、だった。
 U-20のワールドカップのことは何度も引用してきたけれど、主要メンバーのいるチームが日テレベレーザチームなのだ。
 他にも同じプレーをこなす同年代の選手たちがWEの各チームに散らばっている。
 ただ一回だけとしておきたいが、その連携とシュートのためのパスの所までは再演してくれていたように受け取って思わず声でなくて拍手してしまっていた。舞台芸術での反応っぽく反応したくさせるのだ。そういう類のプレー、連携芸術っぽい。
 そこでは失礼な!とちょっとだけでも上の世代の選手諸氏からは反発があって当然なのだけどリアルに似たことをこなせるはずがない。お互いがそういう密度のプレーを妙な気持ち抜き、つまり当たり前感を共有して発揮し合える気位の状態かどうかだったりする。 とにかく、その世代ならではの連携だから、素人老人発言としてお許し願いたいけれど、監督の作戦とは違って、素人的には、同じ世代がその同じ技量水準を共有できてこそ可能なプレーと踏んでいるので、本当にちょっとだけ上の2018年U-20世代の達人たちでさえ、邪魔(本当に失礼なことばなのだが)にさせかねない。上手なプレーと思えてしまうか、それが当たり前で、それ抜きにできない連携のためのツールに過ぎないくらいで押さえている連中かどうかの辺り。2002年世代と2001年世代では共有しているプレー環境が異なるのではと仮説を持つ)なくらいで、同世代間でパス回しして、ホップ・ステップ・ジャンプ(シュート)と別に三段でなくてもいいのだけど、最後の決めのところに正確にパスが出て、それを正確な受け止めから自分のすぐ次のプレーにつなげられる技量を持った選手が、半々のきわどいシュート機会だったら、50%以上の確率で点にしてくれるようなプレーを見せられるようであれば、評判が評判を生んでのような女子サッカーをめぐるムードは醸成されやすいと素人的には見てしまう。
 2022年U-20の対スペイン代表チームとの試合を彷彿とさえる連携プレーのごく一端を垣間見た気にさせてくれただけで、素人老人は感動してしまっていたわけですね。
 とにかくベテランで固めた神戸チーム(代表チームの三宅選手すら含む)には対応不能でゴール前までもっていけて、そのジャンプにするかどうかのパスが通らず・・・、もワールドカップの密度でその先を見るプレーが重なれば、なんなく一点取れて、この日の試合展開からして大量得点‟ベレーザ独奏‟状態であってもおかしくなかった。
 前半中場過ぎ、タッチラインを割ったボールから、ベレーザチームのスローインと判定された瞬間、そりゃないよ!アイナックコーベのぼーるだよ!!と技で押される一方のベテラン構成神戸チームの監督は、野球で叱咤激励が必要な場合に監督が剣幕作戦を使うように、声を張り上げていたけれど、それくらいに、日テレベレーザチームは一方的にボールを支配するゲーム運びをこなせていたのだ。
 MF・DFの動きを見ていたならば気づけたように、日テレベレーザチームの若手選手たちは未だその若さゆえに短期間に多くを身につけてしまえる。
 点につながらないボール制御のための動きをスライディングとか自らの怪我にもなりかねないプレーまで必要にならない段階で制御できる術をゲームでこなし始めていた。
 中には、代表チームのDFの若手選手がこなせていたような体寄せの巧みを(若手にも関わらず)こなすしぶといタイプも登場していた。(DFには男子代表チーム並の育ち方に既に身につけている足技が加味したプレーを期待できるようなチームができそうだ)。体寄せは海外の巨体チームが日本代表チームを封じるのに最も手軽な手法となっている。寄せてしかも狙いよくボール運びを邪魔することで、ベテラン、2018年U-20世代くらいまでは慌ててパス出ししたりへ誘いやすくする。2022年U-20年代間でならかわせ合えても、先のちょっとだけパニくる世代がパス交換にかむことで、ぎくしゃくを避けられなくなる。こう決めつけることば使いは確かに失礼なことなのだけど、ありがちな状態ということで、また症状がそうなのだから、改良できるためには、の必要なことに気づかれたなら改良も可能、というような受け止めのところでご容赦願いたい。
 スゴ技連携プレーのごく一端を見ることができたこと。
 若者たちの成長の度合いの凄さ。
 でまったく感動した2時間を過ごさせてもらえた。
 ということで、終わらせないのが一言多い老人年代。
 若さは育ち盛りということだ。
 だから監督はその個々の技がどこまで応用可能なの射程を見損なってはまず。サッカーオタクよろしく、過去の世界的なチームの連携プレーの映像が頭をよぎって邪魔なくらいなタイプかどうか。とにかく、若者たちには自分以上の連係プレー(当然シュート決めまで持っていく一連のプロセスとして)、高度なプレーを基礎的位置関係を忘れていないか一々確かめながらも、強く求めさえすれば、相当なところまで答えてくれる実現可能性たっぷりな方での可能性を秘めている選手たちに恵まれている、と素人は、この日の試合見ただけで、余計なお世話の一言(ひとこと)を持ち出せる気になってしまう。
 もう少し実際的な場面でのことも指摘してみたい。
 サッカーオタク諸氏は、組織的な連携のパタンで試合を見ることに長けている。
 その話につられてテレビ中継を見ているとなるほどとつい付き合ってみてしまいがちにするのだけど、実際に試合をしてみればわかることだけど、その視点が役立つのはせいぜいといってとてつもない要素でもあるオフサイドトラップくらいで、多くは、生々しい試合の中で基本は基本として位置取り、位置の補完などをこなしつつも、果敢に、相手チームの動きと相談して(いつもそっくり同じくせを発揮するとは限らないから生々しく!)動いて事態を打開しまくって、ここぞの機会を決して見逃さずにシュートにつなげるしかない、ような性質がサッカーゲームには大いに含まれていて、そういう実践的な観点からして、評論は評論だよな・・と素人分際からは指摘しておける。
 ただし!オフサイドトラップは無駄じゃない以上の手法なのだ。
 男子代表チームのDF陣は簡単に使いこなしているから、相手チームを焦(じ)らせられる。
 日テレベレーザチームの監督・スタッフはこの日の試合(練達のベテラン揃いのチームだ)に向けてオフサイドトラップの重要性について心身に染みわたってゲーム中、どういう場面でも暗黙の了解のタイミングでそれを使いこなせるようにしていたのかどうか。
 押され気味だったけれど、だから相当に苛立ちに誘えていたはずだけど、一方で得点につなげられることに失敗し続けている日テレベレーザチームの力は・・と見透かされた面も外せないから、後半、パスミス、トラップミスが目立つ日テレベレーザチームの姿に安心したのか、前のめりプレーが見えだす神戸チームに、えっえぇっ!いやだぁ・・と落胆させられるのがオフサイドトラップ手法だったはずが・・。
 暗黙に一糸乱れぬラインの移動を試行錯誤したのは好調な前半のみ、後半の肝心のところでは、まったく機能させられず、一点を頂戴してしまった。
 陣取れる範囲にどういうボールが来てもはじき返す自信を(こっそりちゃっかり)見せびらかす神戸チームの山下選手に、芸を欠くシュートを放っていたのは誰だ!とちょっとだけいじわるにことばにしてもみたい。そこはサッカー、一点を見たかったから。
 とにかくベテランで代表チームにも属するような選手諸氏は若手選手たちが思っている以上にずぶとさは人一倍発揮できるタイプ諸氏なのだ。同じパタンを繰り返すだけのフェイントが使えるなどは無謀な思い込みだ。体寄せして邪魔するなどに長けているけれど、寄せられることは苦手だったりする。予定した相手のテクニックには強く応じられるけれど予定外にはめっぽう弱点を持つ。そういうベテラン選手諸氏相手ならではの頭の切り替えも手法にしておく必要ありだ。

 2022年U-20世代のスペインチームはきっと今でははるかに上手に(当たり前にこなす選手たちの視点というよりはより上の世代からするの意味で)高度な連携プレーも試合にもまれてこなしていると予想できる。
 他チームとの試合、自チームの監督・スタッフがよりスゴいプレーを選手たちに求めないと、旧態のノリに引っ張られてしまいそうだ。
 女子サッカーにとんでもないチームが出てきてもおかしくない時勢。なでしこでの編成か、クラブチームでかはともかく、日本からの代表チームと海外のスゴ技チームとの試合をできれば列島のどこかで興行してもらって・・・など身勝手に空想中の老人ゆえ、ついついそんなことにも言及したくなってしまう
 ということでサッカーのスタッフ諸氏にも想像力が要るようだ、とか素人老人の暴走気味な言葉遣いの惰性で、今回はおわり。